日増しに多くなる。海に出ていく者に
とってはありがたい。天気予報を見て
「南のち北の風強く」これが一番困る。
青空を端っこから黒いインクで染めるように、
西の空から黒ずんだ雲がじょじょに色を増し、
真っ黒な雲がやがて冷たい風を運んでくる。
風向きが変わったかと思うと風は猛烈に
吹き出し「ちょっと、待ってくれ」
なんて自然現象には通じない。
旧2月に起こる気象現象で沖縄では
「2月まわり」または「風まわり」と言われ、
船をもひっくり返す漁師の恐れる突風だ。
風の回るのは、池間島(西方向)から黒い雲が
現れ、2~3本の横筋が見える。干潮から上げ潮に
かけて風の向きが時計まわりに向きを
かえてくるのが通常だが絶対とは言えない。
時には満潮から干潮にかけて回る時もあれば、
干潮を待たずして風が吹き出すこともある。
長くこの島や沖縄に住んで、この2月回りを
毎年経験し、危ない目にも数えきれない
ほどあってきた。風が北に変わるまでは海も
穏やかで、これから天候が急変するなんて
ほとんどの人が思えない。沖縄の海で仕事を
している人は「2月回り」の怖さを
知っているので、「戻りましょう」の言葉には
不満はあれど従ってください。
港に戻ってからも、なんら空に変化が
起こらない時もある。
それは判断の誤りではなく、「ラッキー!」なだけ。
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