父親から珍しく電話がかかってきた。
「見てるかぁ?槙原がかわいそうやないか ギャッハッハァ~」
「槙原って誰やねん?何があったんや?」
「バースと岡田と掛布の3連発じゃ!ギャッハッハッァ~」
「もしかしたら、優勝するぞ!日本一じゃ、ギャッハッハッァ~」
当時、宮古島のテレビはNHKだけで、そもそも家に
テレビなどなかった。「とりあえず帰ってこい。
今、甲子園に行かなかったら、お前一生後悔するぞ!」
父親と電話で話したのは、記憶にあるかぎり、このときと
阪神淡路大震災のときの2回だけ。
家族・親戚・近所はすべてトラキチという中で育った。
子供の頃に「なんで、そんなに応援しとるのに、
阪神は優勝せぇへんねん?」と何度か聞いたことがある。
返事は決まって、「阪神は優勝せんから、ええのやないか」
「それに、もしも優勝したら、大変なことになるがな」
確かに、その予言は当たっていた。
29年前に阪神が優勝したときは、関西人が
暴徒となって大阪の街はパニックにおこたった。
私は野球そのものがあまり好きではないが、
DNAがそうさせるのか?ついついテレビにくぎ付けに
なってしまった。
半分は大阪の街を心配してだが・・・・
あっけなく負けてしまったなぁ。
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