一番困ったのは、現場までの通勤手段。
陸路は怪獣が歩いたように道路がところどころ
遮断されていて、車が走れない。現場は海の中
なので、船で通うことにした。瀬戸内海から神戸港、
そして大阪湾から和歌山沖にかけて大きなタンカーや
貨物船が行きかう大変交通量の多い海域であるけれど
陸路のように渋滞などないが、漂流物が多すぎて
船を飛ばすことが出来ない。
流木をひっかけるだけでスクリューが傷ついて、
修理に何十万もかかってしまう。
「本土の船長さんは、よくこんなところを平気で
走らせているものだ」と驚いた。
沖縄近海では、沖で大きな流木などを発見すると、
漁協から流木注意報がだされる。
それほど漂流物には注意して船を走らせている。
夜は前が見えないので、漂流物など気にせず、もし
ぶつかっても運が悪かったとあきらめるが、日中は
前に障害物がないか目を凝らしている。
ここ数年、台風の去った後や風向き、そして流れに
よって漂流物がたくさん流れてくることがある。
そのほとんどが隣、近所の国からのもので、迷惑だけれど
文句のいいようがない。おそらく日本も急成長を
とげているとき多くの漂流物を他国に流していたの
だろう。それにしてもこれだけのゴミが漂流して
いるということは、海底にはおそらく途方もない量の
ゴミが山のようになっているだろうなぁ。
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