オバァはたくさんのご馳走を用意して待っている。
ダイコンやコンブ、ニンジン、ゴボウ、豚肉・・・
チャンプルーな煮物を大きな鍋で作ったが、
ハンバーグやカレーライスに洋食なれした
子供は、煮物などあまり食べない。
お盆の三日間で食べつくしてしまう予定が、
大鍋ひとつ余ってしまった。お盆が終わって、案の定、
「煮物が余ったから持っていけ」と大きなタッパに
入れて持ってきた。オバァとの付き合いも長く
なって、これも毎年の事少しは考えて作れば
よいものを・・・・三日前に作った煮物なら、
味も染みて、まだ食べられる。
さっそく、その日のランチに持っていった。
これが意外と好評で、海の上で食べると美味しく
感じる。アッという間にたくさん頂いた煮物が
なくなった。
送り火も終わって一週間。何を思い出したかオバァが
「あの煮物はどうだったか」と聞いてきたので、
「お客さんたちと、海で美味しく食べたよ」と
答えた瞬間「しまった!」と思った。「まだ、
残っているから明日もお客さんに食べさせれ」
毎年のことなのに、気を抜いた瞬間をつかれてしまった。
食べるものがない時代を生き抜いてきたオバァには、
賞味期限などという言葉はない。
もちろんお客さんに万が一のことがあれば大変なので、
持っていくわけにはいかず。明日は我が家の番犬の
ご馳走だ。今日から明日まで餌をやらないでおこう。
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