国立新美術館
生涯をたどる美しき道、東山魁夷展
(2018年10月24日〜12月3日)
を見に行ってきました。
情感にみちた静謐な風景画により、戦後を代表する
国民的日本画家と謳われてきた東山魁夷(1908−99)
大きな特色は、初期の代表作<道>(1950年)
平明な構図と澄んだ色彩にあります。
日本のみならず、ヨーロッパを旅し
研鑽をつんだ東山は、装飾性を帯びた構図においても
自然らしさを失わず、青が印象的な色彩の力も駆使し、
見る者の感情とも響き合う独自の心象風景を探求し続けました。
完成までに10年の歳月を費やした、
唐招提寺御影堂の障壁画が完全再現展示してあります。
唐招提寺は、唐からの5度の渡航に失敗しつつも、
6度目の挑戦で日本にわたった鑑真和上により
759年に開かれました。
失明して来日した鑑真には見えなかった日本や中国の風景を
描いています。
障壁画には、鳥が1羽いたり、風になびく柳たち、山山と海、岩、松
グリーンブルーと墨の黒が長い長い空間に流れるように‥
東京で見れるとは、なんとしあわせなことなんでしょう。
音声ガイドで東山魁夷の肉声を聞く事ができるのですが
「純粋」「生かされている」という言葉が耳に印象深く残りました。
音声ガイドにはモーツァルトピアノ協奏曲23番イ長調K488第2楽章が
入っており音楽を聴きながら展示を見る事ができてよかったです。
東山魁夷とモーツァルトは合います。
緑響くや花明かり、ゆく秋、有名な作品を一度に見れるなんて
すごいです。
絵に近づいてみるときらきらしてみえる絵の具をつかっていて
きれいでした。
私は唐招提寺の障壁画と散華がいいなあと思いました。
散華は「雲」「花」「波」「火」が展示してあり
図録をみるともっとたくさんあるようで想像しただけてはなやいだきもちに
なりました。
どうぞ芸術の秋を美術鑑賞でお過ごしくださいね。