楽しみにしていたウェス・アンダーソン監督!
久しぶりに映画館で観てきました。
いやー、たしか前作までは単館上映だった気がするんですが
今回、あちこちのシネコンで観られるのでホントによかった!
(しかも、レディースデーでTOHOのプレミアムスクリーン!)
「ムーンライズ・キングダム」
(Moonrise Kingdom 2012年・米)
1965年、アメリカの小さな島が舞台。
里親をたらい回しの12歳のサム。
ちょっと変わった孤独な少年。
ボーイスカウトのキャンプに参加中。
一方、不仲な両親(ビル・マーレイとフランシス・マクドーマンド)と
うるさい弟たちがいる家で、学校で、
自分の居場所がないと感じている、
”扱いにくい子”12歳のスージー。
二人はある日駆け落ちを決行する。
小さな島の警察(ブルース・ウィリス)や
ボーイスカウトの隊長(エドワード・ノートン)や
スージーの親は大慌て。
みんなで捜索開始。そしてあっけなく二人は見つかり、
サムは福祉局(ティルダ・スウィントン)の手に渡り
少年収容所送りになってしまうという・・・
はぁ~面白かった!
今回もウェスのこだわり炸裂。
いつものように、細かい小道具、衣装、画面、
役者の表情・・・すべて一時停止して
じっくり観たいくらいに
美しくて愛らしくてステキで私好みだー!!
主人公のサムとスージーはこれが映画初出演
らしいのだけど、二人ともとてもよかった。
サムの、あんまり可愛げがないのに
やっぱりコドモなところや
同い年でも断然大人びててて、セクシーですらある
スージー。濃いブルーのアイシャドウと
アイラインに背伸びを感じます。
二人だけの最高のキャンプ地、秘密の入り江。
もうまさに、「ロビンソン(byスピッツ)」!
♪待ちぶせた夢のほとり 驚いたきみの瞳
そして僕ら今ここで 生まれ変わるよ
誰も触れない 二人だけの国
終わらない歌ばらまいて♪ って感じです。
誰にもわかってもらえない同士のふたり、
ひと目会ったその日から 恋の花咲くこともある。
(↑古っ!)
その出会いも、教会のお芝居「ノアの方舟」の控え室で
魅惑的なカラスに扮したスージーですもの!
あっという間に流される、それから1年間の
二人の満たされない毎日の様子と文通。
ま、この二人、ただただカワイイだけじゃなく
風変わりで、頭が良くて扱いにくい子であることは
確かなのですが・・・。
それでボーイスカウトの仲間にも嫌われていたんだけど
彼らも二人の逃避行に手を貸します。
そのドタバタぶりがまたおかしい(笑)
クライマックス、危機に瀕したサムはスージーに
「僕と結婚してくれてありがとう」と言います。
なんてシンプルで愛のこもった言葉!
警官と不倫するスージーの母や
愛の冷めたような父は
この言葉を聞いたら なんて思うだろう。
マジメなだけが取り柄の隊長もがんばります。
激しい嵐が去ったあと、あの夢のような入り江も
消えてしまったけど、二人の心では永遠に消えない
ムーンライズ・キングダム。
(あのラストショットには涙しました)
いやー 映像がとにかく素晴らしいけど
キャストもすごい。
主演二人はもちろんのこと、
エドワード・ノートン、ブルース・ウィリス、
ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド、
ティルダ・スウィントン、ジェイソン・シュワルツマン、
ハーヴェイ・カイテルまでっ!
(オーウェン・ウィルソンが出ていないのは寂しい)
サムが肌身離さず身に着けている
アライグマの帽子、手作りワッペン、
ボートについてる木彫りのアライグマも
ホントにかわいい。
裏地がタータンチェックの隊長のテントもかわいい。
スージーの愛読書の装丁もかわいい。
60年代テイスト満載のスージーの家がかわいい。
情けなくて寂しげなブルース・ウィリスがかわいい。
ノーマン・ロックウェルの絵みたいな
風景がすべてかわいい。
エンドロールで流れる音楽がかわいい。
でも・・・もし自分の息子が
年頃になって大好きな女の子と駆け落ちしたら
どうしよう・・・なんて
サムくんの真っ白でぷっくりした頬っぺを
観ながら思ってました。ははは。
もう、何から何まで大好きなウェス・ワールド!
(私は)大満足でした。
早くBD出ないかな~。
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コメありがとう。
ウェス作品らしいですよね、
やっぱり気に入られたんですね♪
わたしはそこまでではないんだけど、
ウェスファンならぜったい好きですよね~これは。
色合いや小物使いも相変わらずcuteでチャーミングな作品でした
コメントとTB、どうもありがとうございました!
ほんと、migさんとこでかなり前に読んでから、
早く観たいと思ってました。
もう、めちゃめちゃ好き!(笑)
寡作でいいから、このテイストのままでいて欲しい・・・。
kinoさんのこの作品と監督への愛がひしひしと伝わる
レビューですね!
この監督の作品はkinoさんのように愛してやまないファンがたくさんいるのもわかります。
細部に渡ってものすごいこだわりが感じられますものね~。
60年代テイスト満載でファッションもステキでした。
ハーヴェイ・カイテルの久々の登場も嬉しかったのですが
ティルダ・スウィントンは出ていることを知らなかったら
彼女だとわからなかったかも・・・。
こんばんは!
ははは 大好きなので、つい興奮気味に書いてしまいました。
あの独特の世界がクセになる・・・。
そう、ほんと、いちいち一時停止して細部をチェックしたい!
ティルダって、「ライフ・アクアティック」に出てた
ケイト・ブランシェットにちょっと似てません??
(まぁ、全然違うと言えば違うんですが)
それぞれの雰囲気が何だか可笑しくて、それがウェス監督の魅力でしょうか。
しかし、このキャストの豪華さ!いつもながら凄いな~と思います。
今回、ブルース・ウィリスが全くいつもと違う顔を見せているのが可笑しかった~
なんと私、同じ日に「ダイ・ハード ラストデー」も観たんですよ~(笑)
おかしくてやがて哀しきウェス映画・・・
このテイストがたまらないのです!!
常連のビル・マーレイも、「こういう映画に出るために、
他のメジャー作品で稼いでおくんだよ」って言ってましたもんね、
俳優さんたちにしてみれば、一度は出てみたい
ウェス・アンダーソン映画なのかも・・・。
ブルース・ウィリスはマッチョなヒーローより
こういう役の方が似合うのでは、と私は思います!