「明日の記憶」 謙さんの惚れこみ

そろそろ上映終了、やっと観られました。

「明日の記憶」　（2005年　日本）

主演の渡辺謙が、原作に惚れこみ、
自らエグゼクティブ・プロデューサーとなって取り組んだ映画です。

共演の樋口可南子さんつながりで、「ほぼ日刊イトイ新聞」で
この映画に力を入れて紹介していました。
渡辺謙さんと糸井さんのメールのやりとりや、
糸井さんと堤監督、樋口さんとの対談など、
いろんな想いがじっくり語られているので見てみてくださいね。
コチラ　→　「明日の記憶」とつきあう

広告会社で精力的に働くやり手の部長、佐伯（渡辺謙）が
若年性アルツハイマーであると診断される。
病は確実に残酷に脳を蝕んでゆく。
そんな彼を支える妻（樋口可南子）・・・。

まるで自分とは関係ないことのように思えるけれど
老いは誰にでもやってくるし、アルツハイマー病の
可能性だって、誰にでもあること。
それにいかに向き合い、明日を生きていくか、ということが描かれます。

仕事人間だった彼にとって、大事な会議やアポを忘れていたり、
人の名前が出てこなかったり、ということは致命的。
仕事が流行りのカタカナ語が満載の広告業界、というのも皮肉な話です。

事実を受け入れられない彼を諭す若い医師の言葉は
とても重みがありました。

会社の上司、若い部下達、取引先の課長（香川照之）の
温かい言葉には　もう涙がぼろぼろ出てきました。

一方、妻は決して夫の前で涙を見せず、明るく励まし、
気丈に支えます。
（ごめん・・・私にはできそうにない・・・。）

渡辺謙さんの熱演もさることながら、樋口可南子さんの
可愛らしさ、自然で素晴らしい表情は　
さすが女優！と思わせるものでした。

「50回目のファーストキス」、「私の頭の中の消しゴム」、
「博士の愛した数式」といった記憶モノ映画もよかったけど、
よりリアルな心の動きを感じられた映画でした。

しかし・・・佐伯に診断を下す医師のミッチー、
”吾輩は主婦である”のタカシ君に見えて仕方ない！！
ああ　せっかくのいいシーンで私は何考えてるんだろ・・・。