目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「金髪の草原」 夢の中のような

2009年05月22日 | 映画タイトル か行
これも少し前の映画で、テレビの深夜放送で
やっていたもの。
「ジョゼと虎と魚たち」を観たときから
観てみたいと思っていた
犬童一心監督の映画です。

「金髪の草原」(1999年・日本)

ヘルパーのなりす(池脇千鶴)は、
重い心臓病を患う80歳の偏屈老人
日暮里(伊勢谷友介)宅に派遣される。
日暮里は、自分は20歳の若者だと思っていて、
なりすのことを、憧れのマドンナだと思い込み
恋するようになる・・・。

話だけ聞くと、「ビッグ」などの
入れ替わりファンタジーモノを想像しますが、
けっこうリアルでつらい話です。
伊勢谷友介なのは、本人と観ている観客だけ。
なりすはもちろん、他の人の目には
彼は80歳の老人でしかないのです。

彼は、これは、憧れの人が毎日自分の家に
来てくれる素敵な夢なんだ、と思い込む。
でも、住所録に記された友人に電話してみても
”他界した”なんていう言葉が返ってきたり
久しぶりに訪ねてきた友人を名乗るのは
老人。

一方、なりすは、つらい現実を生きていて
なんだか不幸そう。
現実を受け入れられないという点で
二人は同じなのかもしれない。

私は、タイトルのところに
”夢の中のような”と書きましたが、
この映画、居心地のよい夢ではなくて
私にとっては、なんだか良くない夢の中のような。
なんだか ざわざわと不安な手ごたえと
落ち着かないふわふわした気持ちが残る
映画でした。

隣の家のへんな家族や、
日暮里に悪態をつく少女。
自称13歳のクレープ屋や
枕元の堺すすむ。
怖いんですけど!!!

伊勢谷友介の棒読みなんとも言えず。
老人の雰囲気を出しているのか?

棒読みです。たぶん。
だって最近の他の映画観たときもそう思ったから。
「ハチミツとクローバー」「雪に願うこと」
確かに見た目はすらっと麗しく
素敵なんだけどな・・・この著しく不安に陥れる
下手な演技は私には受け入れがたかった。

これが見た目20歳だけど実は80歳の老人を
表現しているのなら、
計算し尽くされた名演なのか?
恐るべし伊勢谷友介。

そして、なりすも好きになれなかった。
あなたの失恋っていうのもちょっと・・・。
まだ親友の方に恋をしていた方が
よかったかも。
あんた何考えてるの?と
私だって言いたくなります。
でも、これまた池脇千鶴の
計算し尽くされた演技なら素晴らしい。

ああ、でも、「ジョゼと~」も
「メゾン・ド・ヒミコ」
こんな、リアルで、でも
どこか不安な気持ちにさせる
居心地の悪い雰囲気があったなぁ。
犬童監督のそのほかの映画は
観ていないので えらそうなことはいえませんが。

やっぱり、家でテレビ放映を
途切れ途切れに観るのと
映画館で浸りきって観るのとでは
感じ方もかなり違うのだと思います。
じっくり観たら 深いものがあるような
気もします。

私のことだから、これをもし
映画館で観ていたとしたら
”切なくて美しくて胸の傷む
素晴らしい作品!出会えてよかった!"
とか言っていたかもしれません。
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