目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

寺地はるなさんの講演会に行ってきた

2021年10月24日 | 読書
ここ2年ぐらいで大好きになった作家、寺地はるなさん。
昨年出版された「水を縫う」は今年の中学・高校入試問題に最も多く採用されたらしい。

寺地はるなさんは 1977年 佐賀県生まれ。大阪在住。(寝屋川とか萱島とかあの辺みたい)
主人公は「生きづらい」と言われるタイプの人が多く、
(強いこだわりを持っていたり、ものごとをはっきりと言い過ぎたり、逆に言えなかったり、
いちいち言葉の裏を考えてしまったり などなど)
登場人物のきっぱりとした強さや押しつけがましくない優しさ、
クールで突き放したようなところもあるけど、よく知ればあたたかいところが大好き。
身近な悩みを持った等身大の人々が多く、読むと勇気づけられたり、励まされたりする。

今のところ多作でこの1年で7冊ぐらい新刊が出てる!
大好きだからたくさん読めて嬉しい。

そんな寺地さんの講演会が大阪で開催される、とご本人のTwitterで知り、
申し込んだところ80名の抽選に当たりましたー!

本日10月23日、大阪市立中央図書館で開催。
なかなか近場以外の図書館に行くことはないのでそれだけでもワクワク。
西長堀にある中央図書館は閲覧室が3階まである大きくて立派な図書館でした。
洋書のペーパーバックもたくさんあったなー。
近くの人がうらやましい。

早めに行ったので、3列目のよく見える席を確保。
(オペラグラス持っていこうかと思ったぐらいだった)
参加者はやはり女性が多し。

会場に着いてから思ったんだけど、プレゼント持ってきたらよかったーーー!!
憧れの作家さんに会える機会なんてそうそうないのに・・・。
(昔、椎名誠さんのサイン会に行ったことある。感動した。)
でも、図書館の方が「コロナ禍のため書籍販売とサイン会はありません」と仰ってたので
プレゼントもダメだったかもね。
普通だったらサイン会あったのか!!コロナめ!!!

以下、講演会の内容をそのまんま書きます。寺地さんがお好きな方はどうぞ!

時間になり、司会の図書館の方と寺地先生登場。
黒のお洋服に眼鏡、ショートカットの寺地さん。
落ち着いた声。小柄な感じかな。

私の目の前の机にお座りにーーー! わー この方があの本を書いた方なのね・・・嬉しい。

申し込みの際に書いた先生への質問に答えてくださるそう。
メモできるだけしました。列挙します。

・作家になるのに、特に習ったり学んだりしたことはない。
デビュー作を書いたのは、まだ会社に勤めていた頃で、子供も1歳くらいで大変だった。
人生で一番忙しい時に始めた。「きっとどうかしていたんだと思います」

・1日のうちで、執筆する時間は午前中の4時間ぐらい。午後は読書や映画鑑賞など

・書く時にBGMはない。一度、速く書けるかと思い「天国と地獄」(運動会の!)を流してみたが
自分の運動会のことを思い出しただけで、全然だめだった。

・主人公は自分の好きなタイプにはしない。幸せにしたくなったり、甘くなったりするから

・長編と短編では、書くのが楽しいのは圧倒的に短編。
最後まで書けなかったらどうしよう?という不安がなく 早く楽になれるから

・作品のテーマは最初にはっきりと決めていない。書いているうちにだんだん見えてくる。
彫刻のように。

・作品の推敲の時には嫌いな奴の原稿を読む気持ちで荒さがししながら何回も読む

・(作品の中に名前に関するエピソードがよく出てきますが・・・の問)名前を考えるのが好き。
自分は本名で書いているので、ほかの名前を名乗れることはめったにないことなので
筆名を考えたらよかった、と思う

・(作品のタイトルが印象的ですが、どうやってつけておられますか?)
自分がそのタイトルの本を読みたいと思うかどうか、です。

・(先生の作品の優しさあたたかさが好きです。その優しさはどのように育まれたものだと思いますか?) 優しくあろう、とか自分が優しい、と思ったことはない。優しさってなんでしょうね?

・作品にメッセージを込めているわけではない。
全ての世代、全ての人に共通するメッセージはないと思う。
日常の違和感や疑問に感じたことを書いていて、読んだ人に 自分はどうだろう?と考えてほしい。
小説は答えではなく問いだと思っている

・小説は書くのも読むのも他人の人生を消費する行為だと思う。
書くことで必ず誰かを傷つけるものだと思う。それでも書きたいのか?と考えて書いている。

・コロナ禍を小説に反映するのかどうか、ということを 初めのころに他の作家さんと
話したことがあるが、自分はできるだけ書きたい。
コロナ禍の中にも生活があり、コロナ以前の元には戻れないこともあるから。

・ジェンダーやアンコンシャスバイアス(無意識下の差別)については 常に考えている。
自分に関係ないことはひとつもない
いつでも、完璧に間違えないことは無理。正したり、考えたりして辛抱強く向き合っていく。

・(作品同士のリンクが見られますが・・・)読者が喜ぶから、というのと、場所や人の名前といった
固有名詞を考えるのが面倒だったから

・書いていて一番楽しかったのは「希望のゆくえ」
暗い、と言われて評判はあまりよくないが・・・

・(作品は実体験に基づいたものですか?)
元になった出来事や人はいるけれど、そのままには書いていない。
小説に書くことが実際にできるかやってみて検証することはある。
「水を縫う」の一晩で刺繍、や「今日のハチミツ、あしたの私」の料理など。

・エゴサーチしていて、自分の作品の主人公が発達障害っぽいと書かれていたので考えてみた。
自分も多くの人が簡単にできていることができなかったり、ということがある。
みんな、それぞれができることが違うのだと思う。

「ほたるいしマジカルランド」は ひらかたパークに取材させてもらった。
女社長は友人に似ている。アパホテルの社長がモデルというわけではなく、
小説の社長がインパクトのある服装などを考えて、結果あの社長に寄っていったというかたち。

・映像化が見てみたい自分の作品は?(私の質問です!!)
そうなったらいいですね。知り合いの作家の作品が映像化して、うらやましいなぁと思ったりします。
自分の力でどうこうできないことは考えないようにしてます。

・本が面白いか面白くないかは個人的なことで、自分に合うかどうか

・子供におすすめの本はありますか?
「種をまく人」
「ダリウスは今日も生きづらい」
「きみの存在を意識する」

・本は月20冊ぐらい読む。
心に残る本は三浦綾子「泥流地帯」
”私は日ごろの行いがいいから〇〇”という言葉の残酷さを意識した。
行いが良くても避けられない禍や天災などもあるのに・・・

・読み返す本 「文体練習」
・おススメの本 「差別はたいてい悪意のない人がする」
・印象に残っている少女漫画 おかざき真理「阿・吽」

・今後 書きたいものは?
記憶について。自分の都合のいいように記憶を改ざんしてしまうことについて など。


と、一時間半にわたって たくさんお話してくださいました。
漏れているところや、正確にメモできていないところもありますが
自分と寺地先生のファンの方のために・・・。

あっという間の楽しい時間でした。
寺地先生は淀みなく話すのではなく、考えながら丁寧にお話してくださいました。
落ち着いていらして さっぱりした感じで ますます好きになりました。

いやー ほんと、素晴らしい機会に恵まれてよかった!!!
ありがとうございました。
寺地先生これからも楽しみにしてます!!

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