第78回アカデミー賞 監督賞受賞作、
「ブロークバック・マウンテン」
大阪では本日から公開です。
ミニシアターでは満員だろうと思い、シネコンに行ったところ、
プレミアスクリーンで通常料金上映。ラッキー!
お客さんの入りも6割くらいで、肩透かしな気分でした。
1963年のワイオミング。夏の間 ”ブロークバック・マウンテン”で
羊の放牧の仕事にありついた、2人の若いカウボーイ、
イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ジレンホール)。
陽気でお喋りなジャックと対照的に、無口で大人しいイニス。
2人は次第に心を通わせ、ある夜、肉体関係を持ってしまう。
”これは一度限りのこと””自分はゲイではない”と
お互い自分に言い聞かせるが・・・。
山を降りた2人は それぞれに女性と結婚し子供をもうける。
しかし、4年ぶりに再会し湧き上がる想いは抑えられず、
秘密の逢瀬を重ねる2人。
セリフの少ない、情感にあふれた美しい映画でした。
切ない、という陳腐な言葉では言い表せない、
痛いほどの想いや苦しみが伝わってきます。
ただ、残念に思えたのは、同性愛に対するトラウマのあったイニスが
ジャックに惹かれていく過程が ちょっと弱いように思えたこと。
もうすぐ結婚する女性の恋人がいたのに・・・。
運命の愛って、説明のつかない、抗いがたい何かに導かれて
惹かれ合ってしまうものかもしれませんけれど。
この映画を観ていて、私は同性愛ということを
ことさら意識していなかったような気がします。
それよりも ヘテロな恋愛でも同じ、
人を愛することの苦しさが印象的でした。
自分の本当の姿、本当の愛は、ここではないところにあるのに
”今の生活”を捨てられない苦しさ、
すべてを捨てて、周りの人を傷つけてもいいという覚悟と勇気があるなら、
2人だけの愛が手に入るのに、踏み出せないジレンマ、
そんな苦しい生活を続けていくことで
相手への苛立ちや不満、やり場のない怒りが募って
困難な関係に疲れてしまう気持ち・・・。
いっそのこと 出会わなければよかった、愛さなければよかった
と思うのに 愛することをやめられない。
そんな恋愛の果てに、その愛を諦めてしまった人、
愛を手に入れた人。
手に入れたけど、もっと苦しくなった人。
どんな人でも 狂おしいほど誰かを愛したことのある人は
この映画を観ると 胸が締め付けられるでしょう・・・。
観た後、いろいろと考えてしまい、じわじわと心にしみてくる
映画だと思います。
私はまだ 消化しきれていないかもしれません。
とりあえず・・・観た直後の気持ちです。
ただ、同性愛をテーマにした映画は今までにもいろいろあって、
その中でこれがアカデミー賞でこれだけ話題を集めるほどの
作品だろうか・・・と正直思ってしまいました。
私は「トーチソング・トリロジー」が一番好き。
それはこの映画を観た後も 変わってません。
「ブロークバック・マウンテン」
大阪では本日から公開です。
ミニシアターでは満員だろうと思い、シネコンに行ったところ、
プレミアスクリーンで通常料金上映。ラッキー!
お客さんの入りも6割くらいで、肩透かしな気分でした。
1963年のワイオミング。夏の間 ”ブロークバック・マウンテン”で
羊の放牧の仕事にありついた、2人の若いカウボーイ、
イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ジレンホール)。
陽気でお喋りなジャックと対照的に、無口で大人しいイニス。
2人は次第に心を通わせ、ある夜、肉体関係を持ってしまう。
”これは一度限りのこと””自分はゲイではない”と
お互い自分に言い聞かせるが・・・。
山を降りた2人は それぞれに女性と結婚し子供をもうける。
しかし、4年ぶりに再会し湧き上がる想いは抑えられず、
秘密の逢瀬を重ねる2人。
セリフの少ない、情感にあふれた美しい映画でした。
切ない、という陳腐な言葉では言い表せない、
痛いほどの想いや苦しみが伝わってきます。
ただ、残念に思えたのは、同性愛に対するトラウマのあったイニスが
ジャックに惹かれていく過程が ちょっと弱いように思えたこと。
もうすぐ結婚する女性の恋人がいたのに・・・。
運命の愛って、説明のつかない、抗いがたい何かに導かれて
惹かれ合ってしまうものかもしれませんけれど。
この映画を観ていて、私は同性愛ということを
ことさら意識していなかったような気がします。
それよりも ヘテロな恋愛でも同じ、
人を愛することの苦しさが印象的でした。
自分の本当の姿、本当の愛は、ここではないところにあるのに
”今の生活”を捨てられない苦しさ、
すべてを捨てて、周りの人を傷つけてもいいという覚悟と勇気があるなら、
2人だけの愛が手に入るのに、踏み出せないジレンマ、
そんな苦しい生活を続けていくことで
相手への苛立ちや不満、やり場のない怒りが募って
困難な関係に疲れてしまう気持ち・・・。
いっそのこと 出会わなければよかった、愛さなければよかった
と思うのに 愛することをやめられない。
そんな恋愛の果てに、その愛を諦めてしまった人、
愛を手に入れた人。
手に入れたけど、もっと苦しくなった人。
どんな人でも 狂おしいほど誰かを愛したことのある人は
この映画を観ると 胸が締め付けられるでしょう・・・。
観た後、いろいろと考えてしまい、じわじわと心にしみてくる
映画だと思います。
私はまだ 消化しきれていないかもしれません。
とりあえず・・・観た直後の気持ちです。
ただ、同性愛をテーマにした映画は今までにもいろいろあって、
その中でこれがアカデミー賞でこれだけ話題を集めるほどの
作品だろうか・・・と正直思ってしまいました。
私は「トーチソング・トリロジー」が一番好き。
それはこの映画を観た後も 変わってません。
同性愛も異性愛も人を好きになる気持ちは
理性では説明がつかないことだと思いました。
ジャックが一番、イニスを好きだった瞬間は
立ったまま寝てると、歌を歌ってくれた時、
その安堵感。
その時が、ジャックにとって一番幸せだったこと。
そして、イニスは、ジャックがいなくなって
始めて本当のジャックの愛に気がついた
きがします。
遅すぎたのですが・・。
いろいろ言えば、あーすればよかった、うんぬんが
ありますが、人間の人生はそうはいかない。
それがリアリティだと思いました。
それで、私も、後でじわじわくる映画かもと思いました。
そんなんで、私も原作まで読んでいる割には、映画が未消化だったりするんですが、鑑賞記を書いてしまいました;;;
なので、TBさせてくださいね。
そういうものですね。愛は理屈じゃないのです。
逢えない時間が余計に想いを募らせるし、
苦しい状況が 余計に燃え上がらせる・・・。
こうすれば ああすれば、と後悔するのが人生。
辛いけど 仕方ないのね・・・。
>Kimさん
パンフレットに載っていた、原作とからめてのお話が
興味深く、原作を読んでみたいと思いました。
「シッピング・ニュース」の作者なんですよね。
ああー感想うまく書けません。
静かでいてキレイな映画の中に二人の気持ちが
溢れていました。。。私なんて思いっきり
イニスになりきって?いて、彼と同じ表情を
している自分に気付いたり・・・。
ヒースのもごもご喋りと悲しげな表情が好き。。
レビュー書いたらこっそりTBに来まーす!
この映画、見るのをためらう方がけっこういらっしゃるようです。
周りの男の人たちとか、「あんまり見たくない」って言ってました。
「ラブ・ストーリー」な映画なのですが、「ゲイ」な映画、という印象がとても強いせいかもしれません。
でも、異性だとか同性だとか、そういうことを越えた、心に深く残る映画でしたよね。
ヒース・レジャーの喋り方とか表情とか、
イニスって人そのもの、という感じがしました。
イマドキのニイちゃん、ってイメージがあったので。
レビュー、楽しみにしてます!
>re_reさん
はじめ観る気のなかったダンナと観たんですが、
同性愛の映画だからどうこう、っていう気持ちは
あんまりなかったみたいです。
ただ、そういう関係になってしまうのが 唐突に感じたのが
一番の違和感だったみたい。
あと、あまりに無防備やろー!!と。
(ジャックとイニスが再会シーンを奥さんが、とか、
ジャックが酒場で色目つかったり・・・とか)
そうは言いながら、けっこう観た後、何やら言いたくなる映画ではあったみたい。
私も、観た後、もっとぎゃーって盛り上がって、
語りに入ってると予想してたんですが、
なんかこう、上手く言い表せない気持ちが
胸の奥で渦巻いてる感じなんです。
同性愛だけの問題じゃなくて、不倫の関係だったことも
すごく大きいんじゃないかと思うと、フクザツな心境で・・・
上手く言えませんが。
ここにコメするのはど~かな~?と思ったのですが
kinoさんのレビューみて、見たいって思いました。
たぶんそれぞれの恋愛感や思い出やら・・
いろんな思いの隙間に入り込んでくるものが
あるのかもしれない。
都会が舞台なら少し違ったものになったかもしれ
ないけど、大自然とカウボーイという設定が
よりナチュラルな雰囲気なのかもしれませんね。
この映画も、観た人が語りたくなるタイプの映画だと
思うんですよね。
すごく素晴らしいレビューもたくさん拝見しました。
風景も音楽も美しくてよかったし、
カウボーイという 時代遅れな生き様とか
そういう ものがかもし出す雰囲気や意味も
大きいのかも・・・。
そう、異性、同性に限らず、愛の痛みに溢れてます。
辛い恋愛してる真っ只中の人には ことさら痛いだろうな。