見出し1
『ファウスト』(2011年ロシア)
幻想的に描く…というか、幻想そのもの。
なんとなくクエイ兄弟の『ベンヤメンタ学院』(1995年)を思い出す。
人体を解剖するファウスト博士。
魂はどこだ…?
探求者が悪魔の罠にはまり。
欲望に負け、魂と引き換えにマルガレーテを手に入れる。
思いを遂げた後に待っていたのは、永遠のさすらい。。。
(たとえCSI慣れしてても)人体解剖には若干、ギョっとする。
高利貸のグロテスクな姿に、一瞬、眠気が吹っ飛ぶ。
そして、マルガレーテの身体。
迷い無く肉を描く潔さ。
不気味さ、危うさ、異様さが漂う。
医療というか、人体に対する昔の不確かさが不安を煽る。
悪夢には違い無いが、いったい誰の悪夢なのか?
ファウスト博士は、欲望に溺れた中年オヤジなのか?
飽くことを知らない探求者なのか?
そもそも、魂の存在を信じてるんだか?
悪魔の事は信じてるみたいですけど、ね。
尻尾のある高利貸の説得力か?
なんか、ある意味『プロメテウス』(2012年)よりプロメテウスな映画。
原作読んでないもんで、どれだけ違うのか分からん。
という訳で、どう解釈してこうなったのかも不明。
読むしかないかぁ?ゲーテ…
読む気になるよう、ものぐさなりに、いじらしい努力はしようっと。
『ファウスト』(2011年ロシア)
監督・脚本:アレクサンドル・ソクーロフ、原案:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『ファウスト』、
脚本:マリーナ・コレノワ、撮影:ブリュノ・デルボネル、音楽:アンドレイ・シグレ
出演:ヨハネス・ツァイラー、アントン・アダシンスキー、イゾルダ・ディシャウク、ゲオルク・フリードリヒ、ハンナ・シグラ