眠い目をこすりつつ、オバマ米国大統領の就任式&祝賀パレードの中継をみた。
オバマ氏の売りのひとつにスピーチのうまさがある。
僕は英語をさほど解さないが、
同通を避け、あえて副音声(英語)だけで就任スピーチを聴いてみた。
僕にとって早口なため、内容を正確にくみ取ることはできなかったが、
なるほどいいリズムで、聴いていて心地がいい。
僕の聴くところ、選挙キャンペーンでしきりに使っていた
「 Yes, we can 」、「 Change 」
は、1度も登場しなかったと思う。
キャッチーな台詞をあえて封印して、
アメリカが現在抱えている深刻な問題にリアルに向き合おうということなんだろうか?
就任式の模様をみて、あらためてアメリカは「 States 」なんだなと感心した。
アメリカは、世界で唯一 -厳密にはイスラエルなどもあるが- 人工的につくられた国だ。
ネイティヴ・アメリカン以外は、他の大陸から引っ越してきたか、強制連行されてきた。
ひと口に「国(国家)」といっても、2種類あると思う。
アメリカ合衆国やイギリス(United Kingdom)、メキシコ合衆国、スイス連邦は、
その国名が示すように「ステイツ」と訳すべき連邦国家だ。
わが日本の場合は、「ネーション」と訳すべき民族国家だと思う。
どちらがすぐれているかを比較することなどバカげたことで、何の意味もない。
私見だけど、
「ステイツ」の方が、多様な民族・宗教・文化・言語などが雑然と混在しているために、
法による社会のルールがスポーツのように明快で、そのルールを遵守さえすれば、
どんな民族でも(つまりだれでも)その社会に参加できるという自由かつ合理的な面がある。
その反面、ルールにたいしての厳格さと公正さは、
社会生活のなかでもっとも重要なプライオリティとされている。
一方、わが国は単一民族(正確にはまちがいである)の「ネーション」だから、
社会のこまごましたところまで一々ルールを作成しなくても、
それなりにお互いを理解し、おおらかに生活することができる。
でも、本来長所であるべきこの国民性が遠因で、
もっとも厳格さと公正さが要求される政治や教育の世界において
もたれあいや馴れあいが、その副作用として生じているような気がする。
日本を含め世界は、アメリカの政治や経済の影響を大いに受けざるを得ない。
わが国の今の政治の体たらく具合をみていると、
藁にもすがる思いで、オバマ大統領に期待してしまう僕がいる。
他人の褌で相撲を取る気はないんだけど…。
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