米国、中国の覇権(はけん)争いにウクライナ戦禍、パレスチナ問題、スーダン内戦、台湾、北朝鮮問題に世界的な気候変動、物価高騰など現況の国際情勢は混沌(こんとん)としています。ヨルダンのある中東はかって世界の火薬庫といわれていた。その地域のヨルダンで皇太子殿下の結婚式が盛大に行われ世界に平和と安定の重要性を示唆(しさ)された。
ヨルダンはイスラエル・イラク・パレスチナ・シリア・サウジアラビアと言った域内の強国、紛争当事国に囲まれ面積は北海道ほどで人口1115万人(2021年世銀)の国です。英国統治下後の1946年に独立した小国です。地下資源や水資源が乏しくエネルギー資源の95%を輸入に頼っている国で観光資源以外の外貨を稼ぐ産業も少ない国です。
ヨルダンの正式名称はヨルダン・ハシュミット王国でイスラム教の開祖ムハンマドの子孫であるハーシム家を王家とする立憲君主制の国家です。アブドラ2世、イブン・アル・フセイン国王が元首です。外交はアラブ・イスラム国と強調し欧米諸国とも良好な関係を維持しています。イスラエルとも1994年に和平条約に署名し良好な外交関係を樹立しています。
そのヨルダンで2023年6月1日に新郎のアル・フセイン・イブン・アブドラ皇太子とラジワ・アル・セイフ妃との結婚式が首都アンマンのザーラン宮殿でイスラム儀式で挙式された。新郎は米ジョウジタウン大学で国際関係論の学位を取得後、英サンドハースト陸軍士官学校で学ばれた。新婦はサウジアラビアの名門スダイル家の出身でサウジアラビアのサルマン国王の従妹(いとこ)にあたる方です。米シラキュース大学で建築学を学びアラビア語、英語、仏語を話される才女です。
ヨルダン軍音楽隊が演奏する中アブドラ国王とラーニア王妃が宮殿で世界各国の王室や首脳の来賓を歓迎された。日本の皇室は高円宮妃と娘の承子妃が参列された。結婚式は3部構成で行われ伝統的なイスラム様式でお二人は正式に結婚契約に署名されました。
その後新郎新婦は8台の赤いランドローバー、11台のオートバイ、馬とラクダの伝統的な隊列でアンマン市内を横断し国民の祝福を受けられました。その後アルフセイニア宮殿に向かわれ国王と王妃と共に1700名の来賓とでレセプションが開催されウエディングケーキカットが行われた。最後にハーシム王家のメンバー、各国の王室、首脳、アラブ諸国の国家元首など列席され晩餐会で締めくくられた。
ヨルダンの治安は安定し中東地域の平和に重要な役割を果たしています。周辺地域の戦争や内戦から逃れてきたパレスチナ人やイラク人、シリア人等の多数を受け入れ教育や保健医療など公共サービスを提供しています。人口に占めるUNHCR登録難民は国民14人に1人(2017年)で財政負担の増大が課題になっています。
パレスチナ難民やその子孫、イラク戦争やシリア内戦でパレスチナ人やイラク人、シリア人の多数がヨルダンに流入しています。シリア難民だけでも130万人を超えキャンプだけでなく街中でも生活しているそうです。ヨルダン言語はアラビア語で英語も通用します。宗教はイスラム教が93%でキリスト教が7%です。
小国ヨルダンの近隣諸国は問題国が多い。その地域で平和と安定に尽力された外交政策、姿勢は近隣に問題国が多い日本も学ぶ事があります。
皇太子ご夫妻の結婚を心から祝福しさらに世界の平和と安定にご貢献、活躍される事を期待しています。
写真はthe new ar abからの転載です