北関東の宮彫・寺社彫刻(東照宮から派生した宮彫師集団の活躍)

『日光東照宮のスピリッツ』を受けついだ宮彫師たち

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第1面】-彫刻師 金子光清

2024年03月20日 | 総論 
第一面の胴羽目 「法華経説話」 金子光清作 (縦 127㎝、横 227㎝、ケヤキの一枚板)



左半分に、霊鷲山で説法をする釈迦と、それを取り巻く会衆。『法華経』序品第一「諸王剃髪」の場面


 その下部には剃髪出家する王の姿


右半分に、仏塔供養の場面で、楽器を奏し、僧侶が供物を捧げる。『法華経』方便品第二「作楽供養」の場面


金子光清の銘 「東京住 金子光清 謹刻」


・模型彫刻(大客殿廊下) 金子光清作



・手水屋 南東隅の龍  この龍だけ瞳孔が彫られた形状 (他の龍は 石川信光、木嶋江運の作)



金子光清の刻銘


・彫刻師 金子光清
 明治五年(1872)、東京本所相生町生まれ。明治17年頃に小松光重の元で修行。子には金子幸太郎、池田信之(二代金子光清)、金子重三郎、弟子には今関光次(今関匠閑)、横谷光一(初代横谷宗舟)、近藤泰山(愛媛西条出身)がいる。昭和21年(1946)没。
 身延山鐘楼堂(山梨県)、宗吾霊堂(千葉県)、八王子横山町三丁目山車、千葉県佐原東関戸山車(昭和10年、子の池田信之と一緒に)、佐原上仲町山車(明治34年頃、佐藤光正とともに)

参考資料
『帝釈天題経寺建造物調査報告書』(葛飾区教育委員会発行、令和四年)
『帝釈堂 法華経説話彫刻』 (帝釈天題経寺発行)
『八王子の曳山彫刻』(相原悦夫著、1986年)
『佐原山車祭調査報告書』(佐原市教育委員会、平成13年)

 






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