と言う事でして、
前回は消費税の実態について書きましたので
今回は本題の食料品消費税の話です。
前回書きましたが、
消費税は消費者に課せられた税金ではなく
事業主に課せられたもので、
その集められた税金の行き先は、
国と免税事業者になります。
それでは、食品に限って消費税を0にした場合
どのようになるでしょうか?
これはいくつかの視点を持って想像する必要があります。
まずは、現状の食料品売価が維持された状態で
消費税が0になった場合。
消費者は消費税がなくなるので負担が減ります。
次に、それを売る食料品店はどうなるでしょうか?
食料品の消費税分の売り上げが減りますが、
国に払う食料品の消費税がなくなりますので負担も軽減もなく
終始的には現状と変わりません。
では、食料品を仕入れて調理提供(飲食店)する企業はどうなるか?
外食は食料品と一線を引かれていますので、
今まで通り消費税は10%を国に支払わなければなりません。
仕入れ分の支払い消費税は減りますが、それは何のプラスにもなりません。
しかし、負担も軽減もなく現状維持になります。
という事で、消費者の負担がなくなっても大方の事業主に変化はありません。
そんな中で、変化が起こる事業主もいます。
それがインボイス未加入の免税(小規模)事業主です。
集められた消費税の行き先は何処になるか?
先ほども書きましたが、国と免税事業者です。
となると、食料品を扱う免税事業者に変化があるのは当然です。
今まで利益にしていた消費税分の売り上げが無くなるのですから。
しかし、飲食店の免税事業者にとってはまた話が変わります。
10%の消費税売り上げを継続したまま、
仕入れの税金がへり全体の仕入れ額が少なくなり利益が増えます。
さぁどうでしょうか?どう判断しますか?
今までの話では、明確なリスクは食料品を扱う免税事業者だけです。
だったら、そこに当てて何か対策を打てばいい!
と思います?
そんな簡単な話ではないんですよ。
ただ、食料品消費税0を訴えている人たちは
このリスクと対策すら打ち出さないですよね?
ついでに言うと、外食とtakeoutの10%の売価の差も問題ではあります。
インボイスによる免税事業者の不利益にはあんなに騒いだのに。
何でかと言うと、結局は政策として考えてないんですよね。
ようは消費税がなくなれば景気が上がると言う思い込みだけなんです。
問題は、その景気にあるんです。
あくまで今のお話は現状の食料品売価が維持された場合の話で、
これは消費者に消費税0の恩恵を固定させた場合の話になります。
しかし、そんな事はほぼほぼあり得ない。
なぜなら、消費税とは消費者ではなく事業主に課せられた税金だからです。
であれば、消費税がなくなって恩恵を受けるのは消費者ではなく
当然に企業や事業主だと言う事です。
では、事業主にとっての恩恵とは?
食料品という名目の消費税の支払いが無くなったと言うことになりますが、
正確に言うと違った言葉になってきます。
それは簡単に言えば売価の決定権となります。
消費税込みで決定されていた売価をそれが無くなったからと言って
下げる必要はないってことです。
それこそが、先ほどの現状の食料品売価が維持された場合という
前提を壊すものとなります。
と言うことは、
食料品消費税を0にすると、今まで書いてきたような割と整った話ではなく、
必ず何処かで歪みが生まれると言うことです。
と言うことで、現状考えられる最上のシナリオにおいても
リスクがあり、政策の訴えには同時に対策が必要であるとなります。
①食料品販売の免税事業者に対する対応
②外食とtakeoutでの売価の開きによる外食産業の後退に向ける対策
そのうえで、景気向上することが最良の結果を生むこととなります。
しかし、景気なんかはどうなるかわかりません。
まずは消費者に向けられた恩恵である食料品消費税額が
いったいどこに向かうのか?
どのような形をもって企業に届けられるのか?
それは新たな市場競争が行われるということです。
結局、どんな最上のシナリオをもってしても、
問題は山積みだということです。
考えられる最悪のシナリオは何か?
この先もエネルギー高騰が続き、家計に向けられた恩恵である
食品消費税額が電気やガス、油関連に向かってしまうか、
家計の貯蓄や社会保険料または新たな税金向けられる。
こうなるとほぼ経済効果には向かいません。その上で、
もし先ほどの対策を講じなければ失業を増やす恐れさえあります。
いずれにせよ、消費傾向に影響を与える消費税を触ることは
良くも悪くも何を起こすかわからないということです。
しかし、先ほども書きましたが消費税に関し恩恵を受けるのは
事業主であることから今まで書いてきた流れはほぼあり得ない流れです。
もし食品消費税0に関し現状の食料品売価の維持を前提とした
説明をする人がいたなら、それは疑わなければいけません。
それは減税の恩恵がまずどこにあるのかを理解していないからです。
では、食料品売価が上がった場合は何が起こるのか?
それはまた次に