ついに松坂までもが引退してしまった。
彼の怪物ぶりは言葉にする事すら必要ない。
多くの人達が彼の活躍を記憶に残している。
高校野球やプロ野球では国内敵チームがあるためにすべてとは
ならなかったかもしれないが、
WBCでは日本野球国民全てが彼を応援したはず。
最後の投球は見ていていろんな感情があふれたが、
その中の大きな哀しさが現実を受け止めさせて、
「今までありがとう」一色に変わった。
伊藤智仁の二軍での引退試合をほうふつさせた。
斎藤佑樹も同様に、
猛烈に「引退は仕方ない」と思わせた。
大学時代に腕の振りの状態が悪くなりスピードが出なくなった。
そのせいでリリースポイントが早くなり不安定なフォームとなった。
はっきり言うと、あの投げ方でプロで活躍するなんて無理だ。
普通なら即引退か抜本的な変化をしなければ試合にだって出られない。
僕が思う彼の不運は、そもそも普通の選手でなかったこと。
大学時代から変化が起こったのにもかかわらず、
複数団からドラフト1位で指名された。
そして、入団から2年は完投・完封含め勝ち星も得る事が出来た。
あの投げ方でこの実績はものすごい。
そして故障をして投げ方はさらにおかしくなって、
リリース時に顔が大きくぶれ、ミットを直視できなくなっていた。
それでも何勝かした。
たしかに彼の能力はものすごい物だったと言う事。
もしもはだめだけれど、本当に彼の能力を理解した者が大学時代に
抜本的な変化や大規模の養成を与えていたら・・・
そして、長谷川。
彼の印象に残っている場面は多くあるけれど、
一番印象に残っているのは
肉体改造後のダルビッシュからの勝ち越しホームラン。
それからすぐにして彼は首位打者のタイトルを取った。
そこから怪我との戦いが始まる。
長谷川の怪我さえなければホークスは純国産打線で強力打線を
組めるはずだった。
それでも彼の打撃能力が衰えたわけではなかった。
ただ、何億も払った外国人選手がDHを埋めてしまって、
先発出場が厳しくなっていった。
プロの世界だから仕方がないけれど、ホークス以外の球団であれば
もっと出場機会に恵まれたはず。
それでもホークスを出なかったのも彼の人間性なんだろうか。
彼の打撃能力をもってすれば、もっと多くの名シーンが生まれたはず。
それでもみんなみんな全力で頑張っていた。
そして最後まで真剣に戦った。
何年も苦しんできたからこそ、ボロボロの最後が皆素敵だった。