きつねゆりセカンドハウス

きつねゆりは「グロリオサ」の和名です。
あの方の復帰を願いながら、
ぶつぶつつぶやいています(o'.'o)

『冬のソナタ』が韓流ブームの火付け役

2023-03-10 12:46:59 | 韓国ドラマ


『冬のソナタ』が日本のテレビで放映されていなかったら、
ここまでの韓流ブームは起きなかったかもしれないそうで――
「冬のソナタ」なぜ韓流ブームの火付け役となったのか


なぜ『冬のソナタ』が韓流ブームの火付け役となったのか?
ラブコメ、時代劇、ゾンビもの…。
「多様なジャンル」と「ロケ地」こそ重要な要素

なぜ韓流文化は世界を席巻したのか?ドラマ『冬のソナタ』が韓流ブームを
巻き起こした「韓流元年」=2003年から20年が経過し、
韓国コンテンツは世界中で人気を集めています。
日韓コンテンツビジネスに現場・研究の両面から携わり続けている
コンテンツプロデューサー、黄仙惠(ファン・ソンヘ)さんは、
韓国コンテンツビジネスがグローバルなIP制作・展開体制を築くまでの変遷を
辿るとともに、躍進の秘密に迫っています。
そのファンさんいわく、
『冬のソナタ』が日本のテレビで放映されていなかったら、
ここまでの韓流ブームは起きなかったかもしれないそうで――。




もし『冬のソナタ』が日本のテレビでは放映されず、
従来の韓国ドラマのようにレンタル店に並ぶ作品の一つだったら、
ここまでの韓流ブームは起きなかったかもしれない。

韓国のドラマ制作会社であるドレミエンタテインメントのキム・ウノ氏は
こう語った。
「『冬のソナタ』は、総制作費30億ウォンに対して、海外収益のみで
290億ウォンの利益を生み出した。(中略)
ドラマ制作会社のPANエンタテインメントは、日本やアジアの各地域で
媒体別に契約を進めた。その結果、放映権、ビデオオンデマンド(VOD)、
オンラインストリーミング、出版、グッズ、さらに公演や音源、
アニメーションのライセンス契約を行うことで、IPの活用とそれによる
多様なビジネス展開を経験した」

海外進出により、放送権の販売にとどまらず、DVD、出版、グッズ、
イベントなどのドラマから派生した商品の著作権料が収益になり、
ドラマの挿入曲であるOST(Original Sound Track)までが
売り上げに貢献することを実感したようだ。

『冬のソナタ』以後、日本を含め海外での韓国ドラマの需要が高まった
ことによってドラマの制作会社は、企画・制作の段階で、放送局の編成確約と
ともに海外のメディアおよび流通会社を対象に先行販売を行った。
さらに海外で多角的にドラマをIPとして活用できるような権利獲得、
および放送局との調整を進めた。

韓国国内の編成を控えた段階から海外での幅広い展開を前提とし、
現地の需要に合わせてIPビジネスを展開できるようなドラマづくりが
必要であることを認識したのだ。

ヒントはやはり『冬のソナタ』
ヒット作品はどうすれば作り出せるのか。
とくに、日本の市場で成功するためにはなにが必要なのだろうか。
その答えは、人気韓流スターが出演し有名監督と人気作家が手がけた作品だと
言えるかもしれないが、それだけでは必ずしも成功しないことが、
エンタメ産業が一筋縄でいかない部分だ。

韓国のドラマ制作会社にとって一歩目の前進となったのは、「ジャンル」を
意識することだった。ヒントになったのは、やはり『冬のソナタ』だ。
日本では2003年NHK BS2での初回・再放送を経て、一年後の2004年から
NHK総合にて放映された。
NHK総合での最終話は20%を超える高視聴率に達する。
NHKは『冬のソナタ』の後続作品として韓国ドラマ『美しき日々』と
『オールイン 運命の愛』を放映し、初恋という純愛を切なく描いた
「メロドラマ」の編成を続けた。
それらのメロドラマは一定の好評を得たが、一方でもう飽きたという
ファンの声も届き始めた。

定番ジャンルとして定着したラブコメ
ドラマ制作会社が次に目を付けたのが「ラブコメ」である。
とくに日本では、『ガラスの仮面』や『キャンディ・キャンディ』など、
恋愛要素のある少女漫画の人気が70・80年代に高まっていた。
当時それらの読者だった層は、ちょうど韓国ドラマのファン層と重なる。

ラブストーリーと並んでラブコメの韓国ドラマが続々と輸出された結果、
韓国ドラマ離れを防ぎ、韓国ドラマの定番ジャンルとして
定着させることができた。
代表作品は、『フルハウス』『私の名前はキム・サムスン』
『宮(くん)Love in Palace』である。

一方で中年女性を中心とした韓国ドラマのファン層を、
老若男女を問わず幅広い層に広げていくことも課題だった。
時代劇ドラマづくりにも注力
そこで注目されたのが「時代劇」だ。NHKは『冬のソナタ』と同時に、
韓国の時代劇ドラマを放送する。
全54話の長編ドラマ『宮廷女官チャングムの誓(ちか)い』は
2004年にはNHK BS2で、2005年からは約1年間NHK総合で放送された。
朝鮮王朝時代の宮女が懸命に時代を生き抜こうとする物語性や、
華やかな宮廷料理、権力闘争、漢方の医術、友情に恋愛など、
多様なファン層を引き込む要素が盛り沢山の作品だ。

NHKの大河ドラマは日本国民から高い支持を得ており、毎年の新作発表では
日本全体から関心を集めていることを知って、
韓国も時代劇ドラマづくりに力を注いでいった。
朝鮮王朝時代に実在したとされる妓生の生涯を綴った時代劇『ファン・ジニ』、
ファンタジーと時代劇の融合が見どころ満載だった『太王四神記』など、
韓国の歴史や伝統文化などを華麗に映像化した作品群だ。

また刑事(警察)ものや医療ものなど、特化したジャンルのドラマの人気が
日本では根強いことから、『復活』『魔王』のような復讐劇や
アクション要素を取り入れた演出が見どころの作品も作り始めた。
代表的なドラマは『IRIS アイリス』で、TBSの夜9時「水曜劇場」の枠で
放映され、初めて韓国ドラマが日本の地上波のゴールデンタイムに
編成されたことで注目を浴びた。

ジャンルの多様化
このような努力と挑戦は、今も続いている。
2021年、全世界を対象にNetflixにていちばん視聴された非英語圏の
コンテンツは、1位が『イカゲーム』、
4位が『今、私たちの学校は…』だった。
デスゲームとノスタルジックな子どもの遊戯の世界をミックスした
『イカゲーム』。
世界的に認知されたジャンルであるゾンビものとリアルな韓国の高校生活を
ミックスし新たな共感を呼び起こした『今、私たちの学校は…』。

他にも、1988年のソウル市、双門洞を背景に5人の友人とその家族たちの
逸話を描いた心温まるコメディ『恋のスケッチ 応答せよ1988』。
韓国上流社会の教育熱と学歴至上主義の世界を鮮烈に描写する
『SKYキャッスル 上流階級の妻たち』。
1999年医大入学同期の主人公たちが病院内で繰り広げる感動ストーリーと
ともに、最後に俳優たちがバンド演奏する演出が光る『賢い医師生活』。

このように、近年では韓国ドラマのジャンルは多様に拡大されている。
ジャンルが多様化し様々なニーズにアプローチできる作品が出揃うことは、
海外進出の多角化に直結する。
ミュージカル、ロマンスファンタジー、2D・3Dキャラクターと実写の融合
など、ジャンルの進化に合わせてテクノロジーの発展も目覚ましい。

聖地巡礼という新たなビジネス
もう一つの重要な要素は、「ロケ地」である。
ドラマ制作会社は、ドラマから派生する付加価値をより増やすために、
ストーリーの世界観に合うロケ地選びに気を遣った。
地域との連携によって制作コストを減らすことも重要な目的であったが、
主な目的はロケ地を観光する聖地巡礼という新たなビジネスを生むことだ。
主な成功事例は『冬のソナタ』の南怡島(ナミソム)、
『宮廷女官チャングムの誓い』と『オールイン 運命の愛』の
済州島(チェジュド)である。
聖地巡礼の成功例が出ることによって、企画・制作の段階からドラマと
観光を結びつけて作品の世界観をより引き立てることが今では
ドラマ制作の前提となっている。
観光地化を狙う場所をドラマのなかで登場人物が自然に訪ねるような設定や
ストーリーテリングが、積極的に試みられた。

時代劇の野外セットは撮影が終わったらテーマパークとなり、
ドラマのなかで出てきた地方の食事はレシピ本として出版され、
ドラマの主人公のイメージを使用したお土産まで用意するなど、
ドラマの付加価値をいかに活用していくのかについても
海外市場を意識したつくりとなった。
ドラマ『IRIS アイリス』は済州島と秋田県をロケ地とし、日本と韓国の
両方のドラマファンと観光を結びつけた見事な成功例である。

聖地巡礼の成功例が出ることによって、企画・制作の段階からドラマと観光を
結びつけて作品の世界観をより引き立てることが今ではドラマ制作の
前提となっている。

※本稿は、『韓国コンテンツのグローバル戦略』(星海社)の
一部を再編集したものです。

確かに「冬のソナタ」が最初にテレビ放送されたことによって・・・
今の韓流があるといえるね。
同じヨンジュンが主演だった、
「初恋」「愛の群像」が最初であれば、今はあっただろうか・・・
もちろん、後に「初恋」「愛の群像」を見て、とてもいいドラマだと
思ったけど・・・
始まりはやはり、「冬のソナタ」でないと、見なかったかもしれない・・・
音楽、ロケ地も大切な要素だね。
韓国行ってもロケ地巡りが多くて、観光地はよく知らなかったです。

今の韓国ドラマは、いろんなジャンルのドラマが多くて・・・
「あり得ないだろう」と思うジャンルも多いけど・・・・
それはそれで、「韓国だから~」で成り立つのだ(笑)

これからも、どんどん新しい韓国ドラマを見ますヨン。