ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

銀河丸

2017-12-22 15:10:00 | 長崎

「銀河丸」 透明水彩画 長崎 A3(420×297) 2017年作 個人蔵


今日ご紹介いたしますのは、
九州スケッチ旅行の思い出の作品です。


長崎県平戸の川内峠にススキの生えた面白そうな丘があったので、車を止めて上に登りました。
平戸あたりの入り組んだ海が一面に見えてとても気持ちのいいい場所です。
その入り組んで穏やかな海の上に、白く輝く見慣れない美しい形の船が停泊していました。
消防訓練のようなことをしているようで、思わずラフスケッチをして風景の中で楽しみました。




それから数日たって佐世保に着き、九十九島を見に展望公園へ夕方ごろ行きましたら
二人の男子学生さんが夕日を撮りに来ていたらしく、なんとなく話しかけました。

どうやら航海士になるために勉強している神戸の大学生で、
銀河丸という練習船で航海訓練中に佐世保港に停泊したので、休暇をとって佐世保観光しているところでした。
とても元気で明るく、未来への希望が体中から光り輝いているように見えました。

学生さんは
「ぼくたちの銀河丸はあの白い船だよ」と言って佐世保港に停泊中の
一際白く輝く船を指差して教えてくれました。

見ると先日平戸でラフスケッチをしたあの見慣れない白い船です。

私は思わず、
「あのふねか!先日たまたま君たちの船を平戸の丘の上から見かけて、
とてもカッコよかったから描いたよ」
と言ってスケッチを見せましたら、
あまりのラフスケッチさに学生さんたちは「がっくり?」な感じだったので、
そこで私は「せっかくだから明日は佐世保港に行ってちゃんとスケッチするよ」
と約束いたしました。

そんないきさつで描いた作品なんです。


私はこの船を描いて思いました。


銀河丸は未来の夢をたくさん乗せて
誰もいない大海原に出て行き
夜、真っ黒になって怖いぐらいの海の上の
大きな波の山に揺られながら
満天の星空の中を進んでいきます。

ここがはたして海の上なのか
夜空の上の銀河の中なのか
さっぱりわからなくなったころ

不安や夢や希望がいりまじった
まだ可愛らしい星のたまご達を
銀河の中の光り輝く星達と同じように
いとおしく大切に見守っていて、

その彼らの新鮮な思い出と無限の銀河が合わさって、
昼の眩しい太陽の光の中でさえ
光り輝く白い船体からうっすらと透けて、

なんとなく見えるような気がいたしました。

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