つうこのなにげない日々

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赤朽葉家の伝説  桜庭一樹著

2007-08-02 01:15:06 | 読書感想
芥川賞にノミネートされました。
今回は残念ながら受賞は逃しました。

千里眼奥様と呼ばれる、赤朽葉万葉の物語
サンカ(辺境の人)と呼ばれる一族に置き去りにされ
若夫婦に育てられた万葉は未来視ができる。

鳥取の旧家(製鉄業を営む)の大奥様に見初められて
旧家に嫁ぐ、子供を4人産むが、長男泪を生む時にその子の
未来が(夭折する)が解ってしまう

時代の流れとともに、製鉄業も機械化されて、溶鉱炉は廃墟と
化していく

万葉の二番目の子、毛毬の子供の瞳子がこの物語の語り手
なのだが、毛毬の人生も壮絶なものだ。

女達の話もおもしろいが、室蘭市出身の私は製鉄業の変遷に
興味を惹かれた。

室蘭も「新日鉄」の衰退で、一時は20万を超えた人口が今では
10万人をきり、鉄冷えです。
公害の問題もありました。室蘭は北海道一、肺がん患者が
多いそうです。
同級生も一人28歳という若さで肺がんで亡くなっています
溶鉱炉(高炉)も取り壊されて、ほそぼそとやっています

夜景(高炉のあかり)が綺麗な街でした。