10月19日(日)
マラソン本編に入る前にちょっとだけ・・・。
今回のウルトラマラソンではJTBが企画をした宿泊プラン(2泊3日食事付き)を利用しました。
プランへの申し込みの先着順に四万十市内(旧中村市)への宿を割り振っていくようで、私は申し込みが遅かったため、四万十市の隣?の黒潮町内の民宿への宿泊となりました。
でも、きちんと受付会場やスタート場所のある四万十市にシャトルバスを手配してくれているので、移動手段の心配はありませんでした。
さて、マラソン本編です。
この日は2時30分に起床し朝食(夜食?)を取りました。
ウルトラマラソン用の宿泊パックなので食事のボリュームもかなりありました。
スタート地点行きのシャトルバス(3時50分発)に乗り込みいざスタート地点へ移動です。
スタート地点は四万十市立蕨岡中学校です。
中学校の校庭はこんな感じです。
ここで、レストステーションのカヌー館行きの荷物と、ゴール行きの荷物を係りの人に預ける必要があります。(注 専用の袋に入れなくてはなりません。)
マラソン大会では毎度のことですが、トイレは大行列でした。
あまりに混んでいたため、私はトイレに行かずにスタートすることになってしまいました。
スタート地点は中学校前の道路でこんな感じです。
そして朝5時30分、いよいよスタートです。
天候は若干の雲は出ているものの、雨の心配は全くない模様。気温も高くなく、マラソンには絶好の気象条件でした。(あくまでスタート地点でのことですが・・・)
ちなみにコースはこのようになっています。
スタート直後は日の出前なので真っ暗ですが、縁石においた明かりや沿道に止めた車のヘッドライトで照らしてくれるので何とか大丈夫です。
スタート直後ということなので人混みの中を走るため、ペースはあまり上げれません。(先はまだ長いのでペースを上げる必要は全くありませんけど。)
35分ほどで最初の給水所(4.8km付近)に到着です。
私はここでトイレに行きました。
無理にスタート前に行くよりも、給水所で用を足した方が待ち時間は短いようです。
さて、お腹もすっきりしたところで先へと進みます。
しばらく走ると21km付近の峠に向けて徐々に上り坂になっていきます。
コース図でみると急な上り坂という印象を受けますが、スタート直後でスタミナが十分にあるので、ペースを落とせば走って上りきれる坂です。
峠を越えると今度は下り坂です。
峠付近の20km地点でのタイムは2:11:39ということでサブ10よりも少し遅れています。
でも下りを利用してスピードを上げ、上りでロスした分を一気に取り戻します。
下りの勾配も緩やかになり、30kmを過ぎるといよいよ四万十川が目の前に現れます。
四万十川を横目にさらに10km走り、40km過ぎの給水所に到着です。
若干オーバーペースのような気がしていましたが、40kmの通過タイムが3:59:03でした。
「40kmを4時間で通過」、ということはこのまま行けば10時間切りも可能か?とちょっと思いましたが、この後地獄を見るとはまだ気付きもしませんでした。
しばらくは四万十川を右手にしながら、緩やかなアップダウンの道が続きます。
そして50kmを過ぎた頃、半家沈下橋を渡ります。
この沈下橋を過ぎて少し行くと中盤の山場といえる長い上り坂が立ちはだかります。
20km付近の上りに比べると距離は短いのですが、疲れがたまっているため結構しんどいです。
でも頂上付近では四万十川を遥か足元に見ることができます。
この上り坂を上り切り、下りを一気に駆け下りると60km地点です。
通過タイムは5:54:02。
よしっ、サブ10いけるぞとますますやる気が出てきました。(まもなく地獄を見ますが・・・)
そして、62kmのレストステーションのカヌー館に到着です。
飲み物、給食、休憩スペースなどいろいろあります。
到着タイムは6時間3分なので、サブ10のペースでここまで来れています。
飲んで、軽く食べて、足にサロメチールを塗ってスタートした時のタイムが6時間11分でした。
8分のタイムロスとなりましたがまだ10時間切りのペースです。
しかし、カヌー館から先が地獄でした。
日差しが強くなり、気温が上がってきたため、一気にペースダウンしてしまいました。
ここまでずっと走ってきましたが、どうしようもなくつらくなり、ついに歩いてしまいました。
距離もまだ70km手前で、あと30km以上も残っているので、本当にゴールできるのかものすごく不安でした。
約2.5km毎にある給水所を目標に先に進みましたが、普段ならあっという間に走れる2.5kmという距離がこの日は何と長く感じたことやら・・・。
しばらくランとウォークを繰り返していましたが、不思議なことに75kmくらいまで来るとペースは遅いながらもまた走り出すことが出来ました。
どこからその力が沸いてきたのかは分かりませんが、人間の体のすごさを改めて感じさせられました。
遅いながらも一歩一歩進み、やっと80kmを通過です。
タイムは8:05:33。
ついにサブ10のペースから遅れてしまいました。
でももう私にはその遅れを取り戻すだけの走力はありませんでした。
それでも粘り強く走り続け、ついに90kmに到着です。
90km付近にある私設エイドでは大好物のコーラとかおにぎりとかいろんな物をもらえます。(でも、調子に乗ってお腹いっぱいに食べると、走れなくなります。)
こつこつと95km通過。
ここまでくればゴールまであと一息。
沿道のおっちゃんにも「ゴールはもうすぐだから、あとは楽しんで走ってくれよ。」って言われちゃった。
最後の力を振り絞り、ついに99km。
もうゴールは目の前と思いきや、ここから2、300m程度の最後の上り坂が始まります。
上り切ると最後はゴールの中村高校まで下り坂です。
沿道では多くの地元住民の方々が「お疲れ様」「おかえりなさい」という暖かい声援で迎えてくれます。
この声援を受けると、今までの100kmの苦労が一気に消え、ここまで来れた嬉しさから心の底からの笑顔を振りまき走ることが出来ました。
こんなに自然に笑顔になれたのは人生で初めてかもしれません。
そしてついにゴールの中村高校に到着。(注 写真のランナーは私ではありません。)
タイムは10時間25分17秒でした。
残念ながらサブ10からは程遠い結果となってしまいました。
今年の6月にサロマ湖ウルトラマラソンを完走した時ももちろん嬉しかったのですが、今回は暑さ、日差し、ペース配分ミスにより途中でのリタイアも頭をよぎるようなつらいレースだったため、ゴールした時の嬉しさはサロマ湖よりも遥かに大きかったです。
自分のことで感動して目頭が熱くなったのは多分人生初です。
さすがに100km走ると足へのダメージは甚大でした。
両足のモモはパンパンになり、屈伸をするのも一苦労で、足の裏全体にも痛みがあり、左足の薬指に指の半分くらいある特大のマメができていました。
でも、これらはすべて「名誉の負傷」だと思いたいです。
ゴール後は模擬店で餅とかカニ汁を買って食べたり(選手だからといって割引などのサービスは残念ながらありません)、無料配布の写真に自分が写っていないか探したりして(結局移ってなかった。残念)、会場を後にしました。
シャトルバスで宿に帰り、夕食を食べ、入浴し、20時過ぎには就寝しました。
長い長い一日がやっと終わりました。