日本維新の会 神戸市会議員 大井としひろの活動報告「おーいブログ」です。

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「FEMAとICS」危機管理についての講演

2005年06月07日 22時32分13秒 | 神戸市会
今日、市役所で1997年にクリントン政権下でFEMA(フィーマ)(米国連邦緊急事態管理庁)の第4地域(アトランタ)局長に就任・活躍されたコペン・ヘーベンDRIインターナショナル会長の「FEMAの取組み事例とICSついて」と題して講演を聞かせていただく機会があった。

内容(要旨)以下のとおり。

全て英語で話された。「最初に日本語しゃべれなくてごめんなさい。どこか遠くの国から火星からしゃべっているようでごめんと大変ユーモラスに切り出され、そしてその後、通訳が入っての講演という感じでなく、一気にFEMAの当時の仕事についての話のなかに引き込まれていった。

ハリケーン災害や山火事、化学災害、地震の対応に携わった。ニューヨークの9.11のとき、IBMの世界対応チームとしてニューヨークで参画した。最近は、コンサルタント会社の副社長として、2004.アテネオリンピック、トリノオリンピックの危機管理に携わった。
オリンピックの危機管理の面白い話は、今日は時間がないので、飛ばすが、ビールおごってくれればゆっくり後で話すよとユーモアも交えて話が進んだ。

DRIインターナショナルについて⇒主に危機管理の認定制度を進める組織で3000人の認定された危機管理の専門家がいる。危機管理の世界で一番大きい組織。25カ国DRIの資格を持ったものがいる。

DRIJAPAN、東京にある。危機管理マネージャーが直面する問題⇒緊急事態のとき⇒①連絡をする人が多いとコントロールできない。
②災害現場にそれぞれの組織が対応するとバラバラに行動する。
③あてになる情報が少ない。④不充分な通信網、お互いが連絡取れない通信が問題。特に、9.11ニューヨークで問題発生した。
④大きな災害に見舞われた時、速報・情報これ以上に重要なものはない。
⑤災害対応のトップがだれか、はっきりしていないと問題。
⑥コミューニケーションを図る上で、組織の単語言葉が違う。単語の問題も大きい。
⑦目標がお互いはっきりしていない場合、責任範囲がはっきりしていない場合、目的が前へ進まない。
⑧たくさん動員されてもどうしても効率が悪くなる。努力が水の泡になる。無駄が多い。まとめて言うと、パフォーマンスが悪くなる。阪神大震災でもこのような経験されたのではないか。
従ってどうすればよいか⇒システムを使った方が良い。なぜか。

米国では、消防、警察、FBI,CIA,ボランティアも全員同じシステムで91ほどの組織が対応している。 ICS⇒(Incident Command System)とは、ロサンゼルス市消防局が開発した現場レベルで緊急時にあらゆる機関が連携して対応できる組織体制であり、現在ではFEMAをはじめとする米国の緊急体制の基礎になっている。

システム。このシステムは、大きな災害も小さな災害もどんなものにも対応出来る、伸び縮みする使いやすいシステムでないといけない。

例えて話すと野球は、ルールを知っていれば、世界で野球が出来る。プロとでも一緒に出来る。
そんなシステム。
このICSが出来たのは、カリフォルニアの山火事で、消防士やみんなが全員リーダーとなって動いたことが発端。

このシステムの8つのコンセプト⇒①統一された指令組織。全員がもれなく参加できるシステム。
②統一された言語。同じものを同じ言葉にする。FEMAが管理している。
③決まっている設備。呼び方決めている。施設→現地本部。
④モジュラー組織→組み立て式組織→小さく出来る組織:必要以上の対応・多すぎる資材で対応→無駄。少ないと二次災害の可能性。
⑤通信を共通した仕組みを設けないといけない。通信計画=全員で決まる。コミュニケーションセンター。現場の指令系統→仕組み作る。
⑥統一したアクションプランを作る。統一されている事が重要。どの組織も12時間の計画
⑦コントロールできる範囲⇒ICSでは、5~7人。理想は、5人。
⑧資源管理が重要。もろもろの機材など資源を見ながら対応。台所の隅っこにおいておくと解らなくなる。一箇所で管理する。統一した管理方法。

8つのコンセプトがベース・基本⇒訓練の必要性⇒災害対応で重要なのは、人材。訓練された人材。連邦政府はたくさんのお金を配って各地に機材を買わせた。
どんなものを配ってもそれを使いこなす人材がいないとだめだ。

どんなにいい計画、システムでも使いこなす人がいないといけない。

ICSのメリット⇒具体的に役割決めません。⇒役・そのものは定義されている。⇒誰がどの役をやるか決めていません。⇒だれが司令官→最初に現地に来たもの⇒どこの誰といわない、役を名乗る、権限付与。メリット⇒災害に見舞われたとき混乱をなくす。このシステムを通じて、より良いコミュニケーションが図れる組織になる。

チームが一体となるシステム。」と一時間半の講演もあっという間であった。

FEMAにしてもICSにしても、アメリカが総力をかけて作ったシステムであり、もっといろいろな研修システムなり危機管理のノウハウを凝縮して、組織運営・管理がされている。神戸市というのではないが、震災から10年が経ったこの時期に、もう一度アメリカのような日本全土を網羅した、国を挙げての危機対応組織・システムが必要なときにきているのではないか。

FEMAのような組織について研究や検討を早急にすべきである。先のJRの事故の際にFEMAのような組織が日本にあればと思った。

以上雑駁な報告です。