三国志 three kingdoms 第4部を見終わって、感想を書き始めた(というよりパソコンのキーボードに打ち始めたというほうが正確ですが)ときは、まだそんなに気にしてはなかったのですが、文章を書きすすめているうちに途中から気づいてとても気になったことがあります。
それで全体を書き終わってから、加筆し写真を追加したのですが、まだ私の中でウズウズしているのでもう少し詳しく書きたいと思ってることがあります。
それは
こちらの2人についてです。
周瑜公瑾・・・演じているのは黄維德(ホアン・ウェイドゥ)英語名ビクター・ホアン
孫軍の大都督(軍事最高責任者)。名家の出身で文武両道に優れた軍人。親友孫策の江東平定に協力し、孫策亡き後の孫軍の統率を任され赤壁の戦いで勝利し曹操軍の支配を阻止。音楽の才もあり美周郎の呼称にふさわしい華やかな佇まい。史実でも美男だったそうです。
呂蒙子明・・・演じているのは常铖(チャン・チョン)
貧しい家に生まれ貧しさから抜け出すために早くに出仕。孫策に非凡さを見出され傍に仕え数々の軍功を上げ出世。武勇があっても学ぶ機会がなく無学だったが、史実では孫権にこのドラマでは周瑜に促され勉学に励み儒学者に負けない教養を身に着け、策士としても軍に貢献したという苦労人。やはり史実では篤実な人柄で周瑜以外でも魯粛や孫権からも信頼を得たそうです。
以下、これまで書いた感想と重複してしまう部分もあることをご了承ください。
そして、三国志演義を基にして作られたこのドラマは史実と違う部分も多いのですが、ドラマを基にした感想を書きたいと思います。
周瑜は第1部、第2部に少しずつ出てましたが、本格的に活躍するのは第3部。遠征中に孫策の死の知らせを受ける場面から。
そして今第3部を見返すと周瑜の一番近い場所に呂蒙がいました。
そのあとも周瑜の水軍と曹操の水軍が相まみえたときに、呂蒙は周瑜の命令を全軍に伝えるために手旗信号をしてました。
このシーンは結構かわゆいぞ
蒋幹をだまして曹操軍の蔡瑁と張允が周瑜と内通していると思わせる芝居を打つ時も呂蒙は協力しているし、孔明が七星檀で東南の風を起こす祈祷をした後、周瑜の命令で呂蒙は部下を連れて命を狙いました。周瑜の忠実な部下なのだとわかりました。
でも第3部は小喬がいて周瑜と仲睦まじくしていた印象の方が強く残りました。
第4部では、小喬は一切出てませんでした。
このドラマの小喬は闘争心の強そうな雰囲気の女性で実はちょっと苦手だったのですが、夫の意に反して孔明を助けるシーンで気骨を感じて好きになったのですが・・・やはりそれがもとで離縁したようですね・・・
そして周瑜と呂蒙のつながりが浮き上がってくる
赤壁の戦いの後、将軍たちが一同に会する中、将校たちが次々と戦勝報告をする中、呂蒙が感極まり周瑜を讃えます
「先の孫堅様、孫策様をしのぐ輝かしい戦果かと。大都督は英雄です。」
さすがに周瑜にたしなめられてましたが、呂蒙が主君以上に慕っているのがうかがわれました。
その後呂蒙は周瑜の命令で劉備軍に兵糧を送り届け、劉備軍に援軍が来てることを報告、それがもとで周瑜は曹仁が占拠する南郡を攻める決意。
劉備軍に出向き孔明に南郡を攻めると告げる周瑜に呂蒙も付き添います
が、南郡で周瑜は曹仁の兵の毒矢に刺されます
驚きすぐに助けに行く呂蒙
他の将兵たちと一緒に降りかかる矢から守っていました。
一旦戻った陣地で周瑜は苦しみながらも策を練り巻き返しで戦い、やっと攻め落としたと思ったら、趙雲に南郡を乗っ取られてしまう。ショックで血を吐き倒れ、急いで馬を降りて助ける呂蒙は趙雲を睨みます。
その毒は傷口がなかなかふさがらず100日以上心身共に安静にしなければ治らない猛毒でしたが、周瑜は死と隣り合わせの戦場に身を置く人間で多忙を極め、感情の起伏が大きいのでどんどん傷が開き苦しみます。
そのため
自宅で琴を弾いている周瑜と薬を煎じている呂蒙。
どうも周瑜の家に住んでお世話をしている様子です。
呂蒙は言います
「大都督の音は清らかで心に染みますな。天上から差す月光のようです。」・・・呂蒙は繊細な感受性の人ですね。まるで恋する人へ捧げる言葉のようでもあり、そして・・・
この奥様感!
小喬がいないから看病をかって出たのでしょう。でも、周瑜邸には使用人が沢山いるから誰かに申し付けることはできたし、呂蒙だって位の高い将軍で本来なら家来や召使にかしずかれる身分。それに昼は兵士の鍛錬があって疲れているはず。なのに薬湯を飲みながら呂蒙から劉備軍の状況を聞いた周瑜はさらに軍事司令を出し、呂蒙は夜中なのにすぐに行動する。戦時中だから時間を争うのはわかるけど、呂蒙は休めないよね。
でも、付き添い続けます。
孫権に「江東の主は誰だ」と言われ周瑜が大都督を罷免されたときは、やけ酒を飲んで荒れる周瑜に甲冑姿で駆けつけて体に毒なのでやめてくださいと懇願する。
周瑜は酔った勢いでぶん殴るのですが、呂蒙は口から血を流しながらも
「どんなに殴られてもお止めします」といって引かない。
ハッと気を取り直した周瑜が「怪我をさせたか」というと
「いえ大丈夫です、大都督の傷の方が・・・」呂蒙は興奮してまた傷が開くことの方を心配している。
孫小妹との婚儀のために江東に来た劉備が甘露寺に呼ばれ呉国太と孫権主催で江東の重臣たちと宴をしてひっそり孫小妹に劉備の品定めをさせるときは、名目上警備として呂蒙は控える。
同じく劉備の警護で控える趙雲もいて二人が並ぶ
趙雲は史書に明記されるほどの美男子。孫権軍の美丈夫と劉備軍の美丈夫が並ぶ素敵な場面でした✨
実は呂蒙は周瑜の命を受けて劉備を殺すつもりでひっそりと兵を配備
それを察知した趙雲が隠れている兵士を暴く
呂蒙も剣を抜いて一触即発状態に
主君の面目をつぶすような行いに孫権が誰が指図したと怒って問うと、呂蒙は「私の一存です。赤壁や荊州で犠牲になった兵士の為にも許せない」ときっぱり言う。
黒幕をみんな察知しただろうけど・・・
孫権は激怒して呂蒙の処刑を命じるが、劉備が止め堂々とした申し開きをして趙雲の剣を呂蒙に渡す。許さず剣を振りかざそうとする呂蒙を見て孫小妹が婚儀の承諾を意味する笛を吹く。
構わず呂蒙は剣を振り下ろすのを趙雲が足で蹴って跳ね飛ばし飛びあがった剣は再び趙雲の手に戻る。←このシーン、緊迫感にしびれます
呂蒙は会場を去る。会場は婚儀の成立で華やぐ
私が孫小妹なら呂蒙か趙雲のどちらかにときめくのに
呉国太が孫権はじめ文官武官を宴会に招待した時は呂蒙は武官の代表として出席、宴会中に劉備の出発を見張り役にひっそりと知らされ、劉備が人質状態を脱して荊州に戻るための時間稼ぎを呉国太が協力していると察知。すぐに直属の部下を手配するが。軍隊発動できる孫権が酔いつぶれてしまったため軍隊を動かせない。
もう一人軍隊を動かせる周瑜はあらかじめ察知して兵士を従えて河辺で迎えの船を待とうとする劉備一行を待ち構えていたのだけど、孔明の命令で待機してた劉備軍の返り討ちにあい劉備を目の前で逃がし罵倒されて怒りのあまり喀血して倒れる。
もうかなり容態を悪化させてしまっている周瑜。劉備軍の罵詈雑言が耳から離れない。呂蒙はこれも孔明の作戦と諭し、周瑜も納得して平静さを取り戻す。相談に来た孫権と魯粛の前には元気に振舞ってともに策を練り、そしていよいよ荊州の劉備軍をだまし討ちにする作戦を実行する。
だけど、もう周瑜はまともに歩ける状態じゃなくて
支える呂蒙
用意された輿車ではなく馬に乗ろうとするけれどもう乗る力がない。すると呂蒙は自ら足台となるのです。
呂蒙の背中に足を載せてほかの将軍に支えられて馬に乗る周瑜。本当なら周りにいる兵士に足台を命令できる立場だけど、自分がやらなければ気が済まなかったのでしょうね。
そして孔明が周瑜の策を見破り敗戦。
再び倒れた周瑜。周瑜の代わりに軍隊を指揮して激戦を戦い抜いた呂蒙が看病する。もう一人の将軍甘寧と共にまだ戦えると訴えるが周瑜は撤退を決意。
周瑜率いる孫権軍は静かに撤退。先頭の4人の騎馬の一人に呂蒙がいて、すぐ後ろに余力を失い横たわる周瑜の輿車が続く
周瑜が荊州を見たいというので、輿車から支えて出してあげて
周瑜が見るものをともに見て
周瑜を見る
篤い忠義心。ここまで孫権軍を強くしていった統率力や軍功を尊敬して心酔し、共に戦った連帯感、名士出身の周瑜が貧しい家の出身の自分を気にかけてくれた感謝、いろいろな思いがあるのでしょうね。「男が男に惚れる」というときは、男の人の心意気にもう一人の男の人が感動して共鳴するという意味になると思うけど、その中に憧れや恋心が入っている気がします。
周瑜と呂蒙の二人に視点を置いてドラマを見直すと、呂蒙の一途に慕う気持ちがしみじみと感じられ胸にジーンときました。
ドラマを見ると呂蒙は武勇一辺倒ではなく落ち着いて判断する人柄だから、もしかしたら、周瑜の固執に何か違うと感じたかもしれないと、ふと思います。でも、周瑜の判断が適切かそうでないかを通り越して、
ひたすら周瑜に従った。そして戦いの場ではともに生死の境で戦い抜き、武勇の優れた呂蒙は極限の状態でも常に周瑜を守っていった。
そして、主従の関係を守っていて決して周瑜の領域に踏み込むことはせず、周瑜と魯粛が一緒の寝床でお酒を飲みつつ語らうようなことはなかった。
周瑜は荊州への執着と孔明への憎しみが心を占めていた。孔明の書をいつも手元に置き何度も読んで、憎いからこそ思わない日はなかった。
周瑜にとって呂蒙は忠実で誰よりも心打ち解ける部下だったのだろうな。当たり前にいる存在。いつも温かく受け止めている呂蒙。誰よりも深く周瑜を慕っていて
それで呂蒙は良かったのでしょうね。
ああ、小喬がドラマで離縁されたわけが分かった気がします。2人の物語を作りたかったから、物語から去らせたのでしょう。
そんな古代のつわものたちの生きざまを、夏草が生い茂る季節に、私は夢の中で見届けた気持ちになりました。
周瑜の命の力はあとわずかになり
看病する呂蒙
孫権が来て後ろに下がる
そして周瑜は命を終わらせてしまう
日本語吹き替え版だと呂蒙は「だいととく(大都督)!」と叫ぶのだけど、原語版の呂蒙は、もっと涙声で力を失いながら
「ダードードー(大都督)・・・」と言って泣き崩れるのです。
周瑜の名誉のために書くと、正史の周瑜は大らかで謙虚な人柄で周りから慕われ、孔明へのライバル心をむき出しにすることはなかったそうだし、孫家からは絶大な信頼がおかれていたそうです。
演義やドラマでは孔明への引き立て役として損な役回りになってしまってるそうです。このドラマでは破滅していく周瑜の様子が描かれ、勇猛で心優しい部下の呂蒙が支えて、三国志の大きな物語の流れの中で一つ心に残るエピソードを作り上げていると思いました。
呂蒙の今後は手持ちの「レッドクリフ」のガイドブックでおおよその事を知りました。はるか昔にテレビで見た「人形劇三国志」の呂蒙はかなり悪い人間として描かれていたと記憶してます。これから第5部を見るのですが、どのように描かれていても私は呂蒙を応援していようと思います☆
第1部 群雄割拠
第2部 中原遂鹿
第3部 赤壁大戦
第4部 荊州争奪
第5部 英雄帰天(前半)
第5部 英雄帰天(後半その1)
第5部 英雄帰天(後半その2)
そうなんです。普段の生活だけでなく戦いの生死をも共にする二人のつながりの深さに感動してしまったのです。
正直に言うと萌えを感じたのです(照れ)。
私はその後の展開を考えると呂蒙に厳しい見方をする方も多いのではと心配していました。ごみつさんも呂蒙を評価していて嬉しいです♪
旧版の三国志でも呂蒙は魅力のある存在のようですね。良かった結構人気があるようです。
小説もちょっと興味があります☆。
だーどーどーの動きが楽しみです。今ちょっと体調を調整中で、整えて第5部を刮目してゆきたいと思います!
今回のテーマは周瑜と呂蒙の関係についてなんですね!
記事から、2人の結びつきの強さに魅かれるhimariさんの気持ちが伝わってきて、楽しく読ませていただきました~。
私も前に(「旧版三国志ドラマ」を見ていた頃)呂蒙に心魅かれて、彼の生涯を小説風にした作品を読んだ事があります。武勇には優れていたものの無学だった彼が孫権にアドバイスされて学問にはげみ、やがて高い地位について行くんですよね。魅力的な武将だと思います。
さて次のだーどーどーは魯粛です。第5部も色々ありますよ~~。楽しんで下さいね!
Liziさんのブログで日本でまた放映されているんだな、と知りましたが私の家はGYAOを受信できないのであまり気にせずネタバレを書いていましたが、それがちょうど重なる回だったようですね・・・うすみません
でもともにドラマを見て、感想を分かち合えると思うと嬉しいです
古装だと4割増しステキに見える
本当に!とても凛々しくなりますよね。体も逞しくてどっしりした鎧に負けない。そして髭が似合うのです。
中華には古装が似合う素敵な俳優さんが多く現代の服装より好きです (#^^#)
そして孫策は、特に第1部での若武者の時、父孫堅古参の武将を連れて袁術の陣営から堂々と出ていくときの凛々しさがとても素敵でした。あの時の周瑜も若々しくて二人にとっていい時代だったのかもしれませんね
私のお気に入りは・・・たくさんいるのですが、特に誰かというと第1部では曹操に魅力を感じて、第2部と第3部では趙雲の凛々しくて女子供にやさしい姿にうっとりして、第4部では呂蒙の男らしい見た目と周瑜への献身にジーンと来て、今はこの三人がお気に入りです♪
Liziさんも呂蒙の存在感に気づいてたと知ってとても嬉しいです
私はGYAO吹き替えで見ていますがまだ今週分は見てなくて周瑜の最期はまだなんですが。たしかに少し前から呂蒙が私も気になってました。以前からこんなに目立ってたっけ?と。
特に大陸の俳優さんについては全く詳しくないのですが、カッコ良い方が沢山いますね(私にとっては古装だと4割増しステキに見えるのであまりあてにならないかもしれないですが)。
このドラマでは孫策がお気に入りでした。もっと周瑜と孫策のツーショットが見たかった(笑)
himariさんのお気に入りは誰ですか?