The Cold Song ー Klaus Nomi

だいぶ寒くなりました。
以前、クラウス・ノミの「ノミソング」の歌の話題を載せました。
この人を知ったのは今回の歌です。
初めて見て、白塗りの顔に中世ヨーロッパ風の服装がなんだか異様で、この人は鎌を持った神様に取りつかれているのではないかと思ったものでした。
その印象は間違ってなかったようです。

クラウス・ノミは1944年1月24日生まれのドイツ人本名はクラウス・シュペルバー。マリア・カラスに憧れ、ベルリンの音楽学校を出た後、アメリカにわたりパティシエと音楽活動を両方したようです。器用なかたですね。
アメリカでは一生のパートナーとなるジョーイ・アリアスと出会い一緒に音楽活動をします。

デビッド・ボウイーのバックで歌う二人。紅いほうがアリアス、黒い服で白塗り顔がノミ。
独特のファッションはアリアス氏のデザイン。

こんなビニール風の素材のマントなども着てます。

素顔は端正で繊細な雰囲気です

絣の着物を着ています。インタヴュー動画を見ると、日本語ではない（ノミ氏がドイツ語で喋って、ナレーションがフランス語）ので内容はわからないのですが何度も「ジャポン」と言う言葉と「ヤパン」という言葉が聞き取れました。日本びいきだったようです。

ノミがソロで歌うときはアリアスがいつもバックダンサーとしていたそうです。
確かに、前回載せた「ノミソング」の動画にも女性のダンサーとペアで組んでノミを引き立てていました。
音楽はポップスであったり、クラッシックオペラも歌ってます。
いろいろクラウス・ノミの動画を見ましたが、どんなにいかがわしいステージでもノミ氏はとても真剣に堂々と歌っていて、だけど目をきょろきょろしてました。
「これが私の音楽よ！」という強気さと不安感の両方を感じました。
１ｓｔアルバムは1981年「Klaus Nomi」
２ndアルバムは1982年「Simple Man」この時にはエイズの病魔にかかってしまったそうです。
まだエイズの正しい知識が浸透してない時代多くの偏見があった中、アリアス氏は献身的に看病しました。

クラウス・ノミ氏が何度もステージで歌った「コールドソング」
私が初めて見た動画は1983年の最後のステージでした。この後ノミ氏はすぐに集中治療室に入院し半年後8月6日に亡くなります。
会場の観客はノミ氏がこれで最後のステージになることを知っていたそうです。
そのとっておきのステージにノミは自分の原点クラッシックを歌ってます。
その声は驚くほど張りがあり、美しいカウンターテナーで歌いむしろ命のきらめきを感じます。



「コールドソング」はイギリス17世紀の音楽家ヘンリー・パーセルの音楽劇「アーサー王」の中の1曲です。
凍った大地の精霊が愛のキューピットに目覚めるよう促されてたときに歌う歌だそうです。


Klaus Nomi_The Cold Song (live)



What power art thou　　　　　　　　　　　　　　　
Who from below
Hast made me rise　　　　　　　　　　　　　　　　
Unwillingly and slow
From beds of everlasting snow

See'st thou not how stiff　and wondrous old,　　　
Far unfit to bear the bitter cold,
I can scarcely move or draw my breath


Let me, let me, let me freeze again,
Let me, let me freeze again to death,
Let me, let me, let me freeze again to death