あれはもう、何年前になるのだろう。風薫る初夏の網戸を通り抜けて、リコーダーの音色が毎日聞こえる日がありました。リコーダーは小学校や中学校で習う楽器。なので吹いているのは小学生かな?上手で澄んだ音がメロディとよく似合っている。そしてなんだか胸がきゅっと締め付けられるような懐かしさを感じる曲でした。
何だろう、どこかで聞いている。確か歌もあったような。歌を思い出そうとしても最初の「ぱっ」という一言しか思い出せない。
毎日聞こえてくるうちにどうしても気になってきて、ネットで調べてみたら・・・
この曲はアメリカの三人組フォークソンググループのピーター、ポール&マリー(Peter, Paul and Mary)が1963年に発表した" Puff,The Magic Dragon" という歌でアメリカで大ヒットし、日本では1973年から小学校の教科書にもたびたび載るようになったそうです。またテレビ番組「おかあさんといっしょ」でも代々の歌のおにいさんやおねえさんが歌ってるそうです。
ああ、それで聞いたことがあったんだ。いえ、小学校ではなく、「おかあさんといっしょ」で。あれはもうずいぶん前になるのだけど、私にとってはついこの前のような、長男が赤ちゃんの頃、膝に長男を乗っけて一緒にテレビの「おかあさんといっしょ」を見てましたっけ。その時によく聞いた曲だったのでした。そのことを思い出したら、膝の上の赤ちゃんの温かさや感触も、室内の様子もよみがえってきました。
膝に乗っけて一緒にテレビを見たひと時は、長男ばかりが記憶に残っていて、次男三男は殆どないなあ。やはり一人っ子の時は余裕があったのでしょうね。
この歌は日本では「パフ」もしくは「パフ、魔法のドラゴン」というタイトルで知られているようです。
原曲に日本語訳がついた動画がありましたので、載せますね♪
【和訳付き】パフ、魔法のドラゴン "Puff, the magic dragon" - カタカナ読み付き
そして多分もっと前の代のお兄さんかお姉さんが歌ったのを聞いたのだとは思うのですが、「おかあさんといっしょ」で歌われている動画も見つけましたので載せます。原曲の歌詞の要素を簡潔につかんで歌にしています。
【おかあさんといっしょ】あつこおねえさんのピアノ伴奏で話題!「パフ」カバー
それから、やはり、原曲を歌うピーター、ポール&マリーの貴重なlive映像を。こんな感じでギターを弾きながらソフトに歌ってたのですね。ゆったりとしたメロディでおとぎ話のようなかわいい歌を当時の若い人達は受け入れて聞き入っているのがいいなと思いました。歌詞は実は当時のアメリカの事情を隠喩しているという説もあるそうですが、この歌は人によっていろんな事を象徴的に例えられる詩ではないかと思います。
Puff The Magic Dragon -- Peter, Paul & Mary ~ Live 1965
こちらのブラザーズ・フォア(The Brothers Four)の歌も爽やかで良いので載せます。いい曲はいろんな人が歌いさらに味わいを拡げてゆきますね。
パフ (ブラザーズ・フォア)
歌詞を読むと、かわいくて夢があって、そしてほろ苦くなります。
私が悲しむパフに会ったら、「自分が覚えている限り、幸せな思い出はずっとあなたのそばを離れないよ。思い出すたびに幸せな思いを再び経験するよ」と言ってあげたい。思い出すとき、悲しい事もつい思い出してしまい、いい事だけを思い出すのはなかなか難しいけれど、でも、いい思い出があるのは確か。それは人生の宝物。
そしてジャッキー坊やは今は目の前の事に夢中でも、きっといずれパフを思い出し、そしてその思い出が人生の宝物になる。
ジャッキーの思い出に残るパフはずっとあのままで、語り継がれていくと命は永遠になるのだね。
いつしかリコーダーの音色は聞こえなくなったけれど、今もあの澄んだ音色を思い出します。吹いていたのは女の子だったのか男の子だったのか。今も近所に住んでいるのか、引っ越ししていったのか・・・。あなたの吹くリコーダーとても良かったよ。
子供時代に全部ではなくても何か光る思い出が残りますように。
子供の日に心から祈ります。