~窓をあけよう☆~

~部屋に風をいれよう~

武林世家

2014-10-22 13:28:08 | 銀幕

中華迷の友人からおすすめされてお借りして鑑賞しました。1985年の香港ドラマで全20話です。

ネタバレで書いていきます

なにがおすすめなのかと言いますと、ズバリ!レスリー・チャンの美しさです☆

当時28歳か29歳ですがまだ少年の風情があって、青春の薫りも感じて、きりっとして若葉の瑞々しさを感じます。

明時代の中国の都市、洛陽が舞台ですが、この時代の優雅な服装や髪形が魅力です。(登場人物は広東語で話してます。香港ドラマですからね)

男性


女性


柔らかい布地に刺繍が施され、男も女も髪飾りとリボンをつけているのです。
女性のいっぱいつけた髪飾りも良いですが、私は男性が髪の毛の上半分をリボンで縛って宝石で飾る髪型がすてきだなあと思いました。

サテン地のリボンは長く背中にたらすのです。

特に家長の方存仁(フォン・チュンヤン)の髪飾りが素敵です

これはたぶん翡翠ですね。

方家は三人の兄弟が武器を製造販売するお金持ち。左から家長の存仁(チュンヤン)一人置いて弟の存智(チュンチー)、そして末っ子の存信(チュンソン)

左から二人目に映っている白髪の三つ編み爺さんは三兄弟の叔父(名前不明)で武器の開発に勤しむ風変わりな人です。

いい味出してました♪
画面アップで見ると結構若い役者さんが演じてるようで、わざと背中に綿をいれて丸くかがんでいました。
男どもはみんな武術(というかカンフーなのかな)のたしなみを持ってますが、この時代の男はみんなそうなのかな?外国人が日本男児はみんなサムライと思い込む勘違いとおんなじで中華の人はみんなカンフーができるとは思ってないけど・・・。

こんな華やかな服装だからさぞや雅な人々かと思いきやさにあらず、方家のみんなはお金持ちであることを鼻にかけ、相手を見下してけっこういやな人たちです。
方家の人たちはきらびやかな生活をしてるけど、武器工場は劣悪な環境で重労働させられてます。彼らのおかげで優雅な生活をしてるくせに労働者を見下して邪険な扱いをするんですよね。
搾取するものとされるものの関係。今もそう。
彼らの息子たちはプライドがやたら高いくせに仕事ができなかったり、性格はいいけど体が弱かったり。

その中で公平な見方をするのが家長の存仁と奥さんの小仙(シウシン)そして娘の湘華(ションワー)

兄たちと違って利発で働き者の娘が男だったらと、存仁はため息

そんな時、昔愛して離ればなれになってしまった女性がひっそりと生んだ息子の存在を知ります。
それが方浩天(フォン・ホウティン)。彼はお寺の師父に学びあらゆることをマスターした聡明な青年。この息子こそ跡継ぎになる人材と存仁は家に呼びます。

奥様の小仙は偉い人で昔の女性の息子である浩天を受け入れ、湘華そして存信は暖かく迎え入れるけど、周りの人たちは大変でした。

さてこの物語にもう一人花のように画面を明るくしてくれる登場人物が現れます

柳城国のお姫様の柳兒(ラウイー)。マギー・チャンが演じてます。「花様年華」では大人の女性の魅力を湛えてたけど、このころはこんなにかわいらしくて、やっぱり存在感が際立ってます。
彼女の国柳城国は遊牧民族らしく、王様もテント暮らしでなんだかちゃちくて、方家の邸宅のほうがよっぽど豪華なのは、まあドラマだから仕方ないか・・・

浩天と柳兒は惹かれあいます

綺麗なふたり&師父

物語は家長存仁の弟で浩天の叔父の存智が悪どくて、何度も陥れられそうになりますが末の叔父の存信に何度も助けられ、浩天は存信を心から信頼します。

浩天の幼馴染でお調子者の章偉(チョン・ワイ)も方家で働くことに。そして湘華とかわいい恋をして結婚します。

身分が違うと家の者は反対するけど父の存仁と母の小仙、浩天は祝福します。

ここから物語に暗雲が立ち込めます。
家長存仁は持病の心臓病が悪化して死去。遺言で浩天が家長になりますが、本当は実権を握りたい存智は悪だくみをして浩天ともども方家を陥れようとして逆に裏切られ殺される。
そして、浩天の味方だったはずの存信の本当の姿が現れます。彼はずっと家業を乗っ取る日を狙ってたのです。

方存信、なかなかの美中年です。演じてるのはパトリック・ツェー(謝賢)。ニコラス・ツェーのパパさんです!ニコさんは前回の記事「ファイアーレスキュー」に出てきました。ニコさんもかなりの美男子ですがパパさんも迫力のある美男じゃないですか。80年代の香港ドラマを見ると女性のアイメイクの濃さアイラインのきつさに驚きますが、このドラマでは男もアイメイクばっちりしてます。
存信@ニコぱぱさんも茶色いアイシャドウがばっちり入っていて思わず「パタリロ!」のバンコランを思い出しました。バンコランの中年版というか・・・脂がのった演技でした。いや脂ぎってるというか。

物語の後半はニコぱぱさんが演じる存信が惡の華を大いに咲かせてました。もうニコぱぱ祭り!


貧しい身の上をコンプレックスにしてひがみっぽくなりながらもなんとか方家になじもうとしてた偉を巧みに利用して秘かに悪事を働かせ、邪魔者を始末します。
偉も存信に利用されることに苦しみ追い詰められます。妻の湘華は夫の普通でない行動に気づき問いただすとキレて逆に責める。誰よりも身分ではなく偉その人を認めている湘華を不幸にしてしまうんです。馬鹿だなあ・・・一番大事にしたい人なのに。気づくのが遅すぎだ。最後まで二人を応援していた小仙も悲しみのあまり・・・。


存信を心から愛し、いつも助けていた雪(シュッ)が邪魔になったら崖から突き落としてしまう。


そしてあろうことか柳兒に横恋慕。・・・あの・・体重差で筏が転覆しそうです・・・。

思いが届かないと知るや、一転して浩天もろとも殺そうとします。

「自分の手に入らないものは人には渡さん」

ほかにも不正取引など・・・悪事を働く人って、決まって「これもお家のためにやっているんだ」と自己正当化するのですよね。
「大漢風」も呂后が「私は漢帝国のために皇后としてやっただけ」と言ってましたっけ
けれど、周りの恨を買い、結局は呂一族も方一族も終焉をはやめてしまう。

そしてこの物語には倭寇が出たり、日本の殿様が出たりします。中国が明時代だから日本は室町時代ですね。
その倭寇やら侍やらお殿様の恰好がいろいろ間違っていて面白かったです。
侍の着物の柄がタータンチェックで妙におしゃれだったり、殿中でもないのに裃をへんてこりんに着たり

日の丸の鉢巻きしてたり、
忍者がスエット着てたり

お殿様のキンキラな羽織はまだよかったけど、殺したつもりの雪が殿様に助けられ奥方になって登場したのも驚きました

舞妓はん・・・
帯は打掛の上から巻いてベルトみたい。うしろに小さく蝶々結びの帯飾りを斜めにひっかけてあり、かわいらしかったです。そして、着物の下に白いズボンを穿いて黒い靴を履いてました。明の女性はスカートの中はちゃんと白いズボンを穿いているから同じだと思ったのでしょう。
存信に憎さ半分、愛しさ半分なのを察知した存信は雪に「実は柳兒が私を誘惑して利用したんだ。ほんとはお前を愛してるよ」と言い寄って、雪はほだされます。
そして今度こそ殺されます・・・(涙)

方家はどんどん人が死んでいき、嘆き悲しんだ小仙は涙ながらに言います
「方家の武器で多くの人が死んだ。これが天罰よ」
・・・そうかもしれないです。

最後に浩天はラスボス存信と戦います。その勝敗の行方は…。
考えてみれば「武林世家」の英語名は”The Fallen Family”ですからね。オープニングの歌も物語をネタバレしてました。

…というわけで美しいレスリーを堪能しながらもいつの間にかパトリック・ツェーの惡の華の怪演に持っていかれてしまいました。
本当は悲劇の一族の話なんだけど、レスリーとマギーの美しさ、それから突っ込める日本の表現に大いに救われ楽しんで見てました♪



ところで、登場人物の中にこんなスターも出ていました。

柳兒の兄王子羅炳(ローベン)にン・マンタ(呉孟達)

そして最初の方で武器工場で不当な扱いを受けることに抗議する気骨のある労働者の二牛(イーアウ)に

ラウ・チンワン(劉青雲)です。若い!!

4 コメント

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EMANON (遵命)
2014-10-23 14:10:55
グォロンさんの美しさ、瑞々しさに抗う術無しで即効購入しました「武林世家」。
父上殿にも母上殿にも全くカオが似ていない浩天。これがホントの
「トンビが鷹を生む」と言う諺なのだな…と無茶苦茶失礼な事を思いつつ鑑賞。
第1話、麗しきグォロンさん@浩天、なかなか出てこない。昔の日本の時代劇みたいな
演出だナ。出てきたとたん拍手~・・・
出来ませんでした。グォロンさんの美しさにポカ~ン→即DVD-BOX購入。
ハマッたハマッた。ストーリー上、グォロンさんが出てこない展開が有ると
何かイライラして来て、「こんな画像要らんからグォロンさん出してよ
とテレビ画面に向かって舞うペットボトル(汗)

全話見終った後は達成感よりもグォロンさん@浩天にもう会えないのだなと
寂しい気持ちの方が強かった。あ~古装のグォロンさんの作品もっと見たいなぁ~。

 グォロンさん@浩天、お色直しパターンが(今覚えている限り)
黒、白、若草色、ピンク、灰銀、青と有りましたが、私の好みは断然「黒」!!
若旦那カッコイイ…
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おかげさまで☆(^^♪ (blueash)
2014-10-24 00:07:56
遵命さん☆
とてもきれいで妖艶ですよと教えてくださり借していただきありがとうございました。
20代のレスリーはほんとにきれい!香港80年代のお化粧ってやたらアイメイクが濃くてアイラインをくっきりきつく描くのだけど、そんな完璧メークの女優さんもレスリーの美しさには翳っていました。
お肌がきれいだし、世ずれした風情がなくさわやかな美しさでした。花でたとえるなら菖蒲のような。時にどきっとするくらい色っぽくてその時はたしかに妖艶だと納得しました。
画面に現れるやうれしくなって、幸せな気分になりました。
そして明時代の典雅な古装が似合ってますね。清時代の北方中国風の豪壮な古装もいいですが、繊細な刺繍を施した柔らかい布地の服装に髪を上に束ねてリボンや宝石で飾る明時代の服装が南方中国人のレスリーに似合うと思いました。
物語は実は暗くなっていくのだけど、レスリーを見れる幸せ感のほうが勝り、見ていて癒されました。
レスリーの服の色、はっきりした色も、柔らかい色も両方よかったですね!さすがスター☆、素敵に着こなしている。遵命さんおすすめの黒はすっきりした着こなしで凛々しくて素敵です♡
私は柔らかい色合いの若草色がなんだか気に入ってここにも若草色の服を着たレスリーをいくつか載せました。
もちろんどちらもいいわー(#^^#)

父上殿にも母上殿にも全くカオが似ていない浩天。これがホントの「トンビが鷹を生む」

ぷぷ( *´艸`)たしかに
後半はニコぱぱの出番がやたら多かったのですがちょっと脂っぽくて胸焼けが(←失礼)レスリー@浩天きゅんがでてきてやっと胸のつかえがとれました。いえニコぱぱも素敵でしたけどね(←今さら)
物語を見ている日々は一緒に暮らしている気分になり楽しかったです!
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Unknown (よしこ)
2014-10-26 20:32:06
20代のレスリーの魅力も味わわなくてはですね。確かに、妖艶で端正ですね。私もこのバタバタ生活が落ち着いたら(冬休みか?)ゆっくりと味わいます😄
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オーラvsオーラ (blueash)
2014-10-27 13:00:51
よしこさん☆
ええ!20代のレスリーは若さゆえの色気があってよいですよ~♪
85年はもう押しも押されぬ大スターになっていたから、マギーとともにオーラが際立ってました。
このドラマ、やはりレスリーのためにあるドラマだったと思います。レスリーに対抗できる敵役もかなりのオーラがないと・・・てことでニコぱぱさんになったのでしょうね~。
後半は惡の華を咲かせたニコぱぱさんですが、役の中で幼い息子に見せる表情は優しかったです。丁度、80年生まれのニコさんが当時同じくらいの年ごろのせいかな(*^。^*)
よしこさんもお忙しそうですが、落ち着いたら20代のレスリーも味わって見てくださいね。良いですよ~♪
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