令和元年10月5日(土)、6日(日)に東京は永田町にあるシェーンバッハ・サボー(砂防会館・別館)で開催されました線維筋痛症学会の第11回学術集会に参加して来ました。
線維筋痛症とは、身体の広範な部位に慢性の痛みとこわばりを主徴候とし、患者さんの中には睡眠障害、抑うつ、疲労感等の精神症状や、しびれ、ドライアイ、ドライマウス、過敏性腸症候群、間質性膀胱炎などの多彩な症状を呈する原因不明の慢性疾患です。
厚生労働省の研究班による調査では2003年に線維筋痛症の診断で受診した患者さんは2600名、線維筋痛症ガイドライン2017によれば日本の人口約1.7%(約200万人)の有病率を占めるといわれています。
患者さんによって症状や程度が大きく異なり、日によって状態も異なるため、日常生活において今日できたことが明日はできない状態になったり、逆に今日できなかったことが明日はできたり・・・ということも少なくありません。見た目ではわかりにくい場合もあるため、周囲からの理解を得られにくいということもあります。
「風邪で熱が出て、身体の節々が痛くて、しんどい状態が毎日続いている感じ」
以前、関わらせていただいた患者さんはこのように自身の身体の痛みについて表現されていました。そのような状態で毎日生活しなければならないとしたら・・・。患者さんの毎日は、想像しきれないツラさや努力の上に成り立っているのだとご理解いただけるのではないでしょうか。
今回の学術大会では、「診断から治療まで」をテーマとしたシンポジウムやポスター発表が行われました。線維筋痛症の患者さんのために、治療に携わる多彩な職種の方々の研究や思いに触れ、2日目の午後には市民講座にて当事者の方々のお気持ちに触れる機会もあり、治療に携わるひとりとして大変有意義な2日間となりました。
( 医局 I / M )#リウマチ