令和3年2月17日から新型コロナワクチンの接種が開始されました。最初は医療従事者への接種、その後、高齢者や基礎疾患を有する方などの順に接種が進められていく予定です。
今回からは、新型コロナワクチンについて投稿したいと思います。
これまで日本で使用されていたワクチン(不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン、ペプチドワクチン)はウイルスの一部のタンパクを人体に投与し、それに対して免疫が出来る仕組みでした。これに対して、新型コロナワクチンはmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンという新しい仕組みのワクチンです。mRNAワクチンはウイルスそのものではなく、ウイルスのタンパク質をつくるもとになる情報の一部を注射します。人の身体の中で、この情報をもとに、ウイルスのタンパク質の一部がつくられ、それに対する抗体などができることで、ウイルスに対する免疫ができます。
mRNAは、数分から数日といった時間の経過とともに分解されていきます。また、mRNAは、人の遺伝情報(DNA)に組みこまれるものではありません。身体の中で、人の遺伝情報(DNA)からmRNAがつくられる仕組みがありますが、情報の流れは一方通行で、逆にmRNAからはDNAはつくられません。こうしたことから、mRNAを注射することで、その情報が長期に残ったり、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることはないと考えられています。
出典:厚生労働省HP
(薬剤科 N / M )