勘違い２

生まれついての勘違いで、いつも恥ばかりかいている。
４、５歳の頃、僕はスーパーに行くと、小銭がもらえるものだと思っていた。
ある日、母に連れられて、近所のスーパー（今はなき、「主婦の店」）に買い物に出かけた。
その日、たまたま母が、ちょっきりの金額をレジで支払った。
思わず一言、
「お母さん、このお店ではお金、くれないんだね？」
母は顔を赤くすると、僕の手を引いて、足早にその場を離れた。
周囲の大人たちの失笑。
「おつり」というものの存在を、初めて知ったのだった。