Ken坊の実家の周りには、古くからの家が多い。
そうした家は敷地に余裕があり、比較的に広い庭がある。
お隣さんもそうした家のひとつだったが、数年前にご主人がお亡くなり、土地として売られた。
藪だった庭はサラ地となって分割され、そこに今風の家が数件建てられた。
それからしばらく経った頃、夜中に実家の庭で何やら怪しげな音が聞こえる様になった。
「ぶひぶひぶひぃ~」という動物の鳴くような音。
朝庭を見てみると、近所の猫用に出してあった餌が食べ散らかされていた。
当初、「ぶひぶひ」が聞こえるのは数週間に一度くらいだったが、やがて毎晩の事になった。
そして音のヌシはいつしか日中にも姿を見せ、用意してある餌を食べる様に。
正体はタヌキの親子だった。
タヌキは実は都会にもいるのだ。 ただ姿を隠しているだけ。
それが最近は開発で居場所を失い、やむなく人間の前に現れるらしい。
ジブリのアニメに、こうしたタヌキを題材にした映画が有った。
行き場をなくした幾匹かのタヌキは人間に化けて、人間社会で生きていく決断をする・・
そんな話しだったと思うが。
ひょっとしたら僕らの周りには、そんなタヌキ人間が沢山いるのかもしれないなぁ
↓実家にやって来るタヌキの親子。仲良く餌を食べる姿が可愛いです。
意外に痩せています↓