爺々の雑記帳

定年退職後の出来事や思いを書き留める

ショッキングな経験

2009-06-22 16:15:48 | 雑記帳

    ショッキングな経験は、現役時代の職場仲間と恒例の1.5泊の釣り旅行での出来事である。私たちの釣りは

  里山を流れる清流に棲むイワナ・ヤマメ等の渓流魚がターゲットである。この魚たちは朝夕のマズメ時に釣果が

  上がる。そのため朝早く朝霧が立つ中、山の入り口付近の川にむかった。当然誰もいない。釣れそうな場所が見

  つかり川に入ろうとしたが、近くの対岸に車があった。私より早く川に入るとは、相当釣り好きの人だとは思い、

  邪魔しては悪いので上流に向かった。しかし上流は重機が入り川全体ががまっ平らになっている。仕方なく橋を

  渡り対岸を車があった方に下っていった。車は群馬ナンバーで暗いうちに家を出て夜明けと共に釣っているので

  はと思っていたのだが。車を通り越した所に川辺に降りる階段が見えた。同時に人影を見た。車で走行中に見た

  ので一瞬である。しかし何か様子が不自然な感じがした。よせばよいのに車を止めちょっとバックした。人影は

  動かない。いやな予感。良く見ると首にロープ。首吊りだ。


   普段ドラマでは木の枝とか鴨居とか目線の上に見るものだが。この仏さんは、下に降りる階段上の鉄製の手摺

  にロープを結び、階段下へとぶら下がっていたので、一瞬では解らなかった。携帯を宿に置いたままで110番

  出来ない。背筋が寒くなるような気分で下流に車を飛ばす。近くの町はリゾートマンションが立ち並び朝早くも

  あり人の気配もない。バブル期にたてられたリゾート用なので普段は住んでいないようだ。ゴーストタウンのよう。

  やっと公衆電話を見つけ110番する。「あなたは今何処にいます?」と聞かれても地元の人間ではないので、

  マンション郡の中としか答えられない。すると公衆電話の位置が警察側で解るようで「そこに居て下さい」と言う。

  しかし待てど暮らせどサイレンは聞こえてこない。30分位経っただろうか、救急車のサイレンが聞こえた。

  しかしサイレンはちっとも近づいて来ない。車で迎えに行こうかと思ったが、警察は「公衆電話の所にいて下さい」

  と言っているので離れられない。やっと遠くに救急車が見えた。何か探しているようだ。私を探しているようだ。

  直ぐに車を発信し救急車を捕らへ事情を説明する。そして私が先導して再び現場へ戻る。

  直ぐに死亡が確認された。死後数時間経って体温がなかったのであろう。救命措置は取らず盛んに電話をしている。

  警察がこない。それから10分ほどして小さい車のパトカーが到着。死体を確認し私の事情聴取。それ以外電話の

  やりとりの他何もせず。救急車は引き上げる。私も引き上げたかったが何も言わない。それから10分ほどして、

  鑑識の車かワゴン車が到着。テレビの見すぎかも知れぬがこんなに現場到着に時間がかかる物なのか。警察官によ

  ると、事前に自殺を仄めかす家出人捜索願いが出ていたそうで、最初に到着した所轄の警察官が上着のネームが家

  出人と同じであったため、事件性はないと判断したようだ。鑑識官?の確認が終わりやっと開放されたが、もうと

  ても釣りをする気分にならず、仲間の居るところに向かう。


   遺族の悲しみを思うと、気味が悪い等とは思ってはいけないのだが、今後釣りをした時、この事がトラウマとなり、

  無意識に死体を捜してしまうのでは。早く忘れたい。亡くなったとは言え、家族の元に綺麗なまま早く帰る事が出来

  るお手伝いが出来きた。良い事をした、と自分に思い込ませた。最後にこの方の冥福を祈りたい。 合掌



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