なぜバーベキューの焼きそば家庭で作った時よりは旨いのか。
開放的な場所でたべるから。 答えは否である。バーベキュー施設で同じ材料、同じ手順で鉄板を使わず、
フライパンで作ってみると良く解る。家庭で作った時と同じ腰の無い柔らかい焼きそばとなる。けして野外と
いう雰囲気ので旨く感じているのではないのである。
何故か。
第1のキーワードは 「 蒸す VS 煮る 」
焼きそばを作る時水を注いでほぐすが、鉄板の場合水は直ぐ蒸発する。この時の蒸気で麺を蒸し焼きにしている。
これがもちもち感を引き出している。
麺をほぐす為水を注ぐが、同じ量の水を注いでも鉄板の場合は直ぐに蒸発するが、フライパンの場合は底に溜まり
なかなか蒸発しない。ソバを煮てしまうことになる。これが麺の弾力感をそこなう。又この時澱粉も溶け出し鉄板
に麺がくっついて焦げ付きが起こる。
第二のキーワード「水分傾斜」
プロが使う麺は太さ4mm、市販の麺は1.8mmと圧倒的に細い。プロの面は外側が水分が多く、芯は水分が少なく
なっている。これが水分傾斜である。この為、口当たりはソフトであるが、噛むと腰があると感じる。これに比べ市販
の麺は全体が水分が多く水分傾斜ができない。もともと腰が無いのである。そして前述のようにフライパンで煮てしま
うのでよけい柔らかくなってしまう。
第三のキーワードは「糊化」
パスタや麺を100度近くまで温めると糊化という現象が起こる。これは澱粉が溶けだす現象で、その時ソースを絡め
ると澱粉が溶け出した隙間に味がしみ込み、麺自体に味が染み込むのである。パスタを作る時もこの現象を知っている
と差がでる。残念ながら市販の麺はほぐし易くする為と、日持ちさせるため油分がコーティングされている。このため
ソースの味が麺にしみ込まない。その為ソースは麺に絡ませるしかないのである。
以上のように市販の焼きそば麺は初めからプロの味には近づけない条件がそろっているのであるが、東西の焼きそば
名人四人によって悪条件を克服する方法を見つけ出すことに成功する。
レシピ
麺を袋から出したらそのままほぐさず焦げ目焼くがつくまで焼く。ひっくり返し、開いたスペースで肉を炒める。
野菜を入れ水を麺に注いで蓋をして全体を蒸す。最後にソースを入れ全体に混ぜる。
こうして外側に焼き目が付き、中側が柔らかいという焼きむらが発生する。これがプロの麺と逆の水分傾斜を作る。
そして蒸して熱い内にたれを絡ませ、糊化現象により味を麺に染み込ませる事ができる。香ばしくもっちりとした
B級グルメの誕生です。是非お試しあれ。
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