食材を冷凍すると細胞壁が破れ解凍した時に旨みが水分と一緒に流れ出てしまう。しかしこの弱点を利点に結
びつける方法がある。
1、小松菜のお浸し
お浸しはサット茹で柔らかくなったら水分を絞って出来上がりだが、茹でる変わりに冷凍する。解凍して軽く水分
を絞れば出来上がり。一般的な「おひたし」は、茹でて細胞膜を破壊して柔らかくしているが、冷凍でも同じことを
している。熱を使わないのでビタミンも倍近く残り茹でた時より美味しくなる。
2、シジミ
前回のシジミ特集で1%の塩水に4時間おくとアミノ酸が増え、さらに3時間水を切っておくとシジミ独特の旨みである
コハク酸が多くなる。と学んだが、冷凍しておくと旨み成分が4倍と劇的に増える。原因は良く解っていないが、温度が下
がって来たとき、シジミが凍るまいと必死に体液を濃くする為ではないかと考えられる。
3、キュウリ・大根
キュウリを冷凍しようとすると、水分同士が引付け合い氷が成長し細胞を破壊してしまう。そこでキュウリをスライスして
砂糖と酢を加えビニール袋に入れ冷凍する。こうすると砂糖や酢の分子が水分子を引付け細胞内で水が自由に動けなくなる。
結果細胞は破壊されずシャキっとしたまま食べられる。この性質を利用し味の染みた茹でた大根を作る。ビニール袋に適当な
大きさに切った生の大根と砂糖や醤油等の調味料だけを入れて冷凍しておく。食べる時は袋から出し凍ったまま軽く茹でれば、
中まで味の染み込んだ大根料理が出来上がる。
4、豚生姜焼
一般的に肉類を冷凍解凍すると肉汁が出てしまい。旨み成分が抜けてしまう。家庭用冷蔵庫では肉内の水分が凍るとき氷の
粒が大きくなり肉の繊維の破壊が大きくなるためである。そこで前述のように肉と調味料を一緒にビニール袋に入れ冷凍する。
こうすると肉内に発生した氷の粒が小さくて済み、組織の破壊が最小限となり生姜・肉の消化酵素プロテアーゼが肉を柔らか
くする。旨み成分も逃げないので柔らかく美味しい生姜焼きができる。
5、玉葱
細胞破壊を利用する。生ねぎをスライスして冷凍すると細胞が破壊されるので、玉葱を炒める料理は最適です。熱で細胞を
破壊するまでもなく、既に細胞が壊れているので炒める時間が短縮できる。オニオンスープを作る時等は是非おすすめ。
トマトはそのまま冷凍し凍ったら卸金ですりおろす。これを煮詰めればトマトソースの出来上がり。裏ごしも必要なく、皮も
種も入っているので栄養満天である。スパゲッティーでお試しあれ。
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