秋祭りサンデーとなった11日、日高地方では笑い祭(日高川町)や紀道祭(同)森祭(御坊市)志賀祭(日高町)など各地で行われた。曇り空だったが、各神社とも家族連れら多くの人でにぎわいをみせた。18日は塩屋祭、熊野祭(御坊市)吉原祭(美浜町)土生祭(日高川町)由良祭(由良町)切目祭(印南町)などが行われ、祭りシーズンも終盤に入る。
笑い祭
一升桝を持った桝持らと「わっはっは」と大笑いする鈴振り
出雲の神様の集まりに寝坊してふさぎ込んでしまった丹生都姫の命を心配した村人たちが「笑え、笑え」と慰めたことが由来とされる奇祭は、日高川町江川、丹生神社で行い、派手な衣装に身を包んで「永楽じゃ、笑え、笑え、世は楽じゃ」と大笑いする鈴振りに、アマチュアカメラマンが群がった。
鬼の出迎えの後、御旅所で和佐組の「踊り獅子」が舞い、山野、江川、和佐、松瀬の4組がいっせいに獅子舞。白塗りの上から頬に「笑」の赤文字を書いた鈴振りが、右手に鈴、左手に宝箱を持ち、御輿を先導。見物人らが、ユーモアな姿を間近で見ようとまわりを取り囲み、アマチュアカメラマンらは、シャッターチャンスを逃すまいと鈴振りを追って走り回った。
鈴振りの宝箱から、菓子がまかれると、子どもらが競って拾い、笑顔。みかんやザクロ、あけび等を串に刺して入れた一升桝を持った桝持や巫女、子ども御輿、屋台や四つ太鼓も練り歩き、宮へ行列した。
境内では巫女の舞に続いて、和佐組が「踊り獅子」、松瀬組が「竹馬」、山野組が「雀踊り」、江川組が「奴踊り」を舞った。
同祭は、県無形民俗芸能に指定されている。
紀道祭
見物人を楽しませた駆け馬
日高川町三百瀬、紀道神社で行われた。
北、平川、南、三百瀬の4組の四つ太鼓や屋台、だんじりなどが勇ましく練り、馬場先では当屋番の北の本獅子や南、三百瀬の舞獅子が奉納された。
夕方には名物の駆け馬があり、2頭の馬が境内から馬場先までの約400メートルを競い合って疾走。スピード感満点の走りに見物客から大きな歓声が上がった。
森祭
四つ太鼓、御輿を連ねて練る
御坊市塩屋町南塩屋の須佐神社で行われた。午前中に御輿や屋台、のぼり、四つ太鼓などが塩屋漁港の御旅所までお渡り。神殿式のあと、笛や太鼓の音色にあわせて4頭の獅子舞を同時に奉納。大人、子ども計4台の四つ太鼓をはじめ、御輿、屋台が横一列につながり、威勢よく練り、見物人を楽しませた。午後から神社で宮入りした。
志賀祭
のぼり差しで曲芸を披露
日高町志賀王子神社例祭。早朝に宮入りし、当番の鬼獅子に続いて、下志賀、中志賀、上志賀、久志、柏、谷口各地区の獅子舞など奉納した後、御輿の渡御。屋台や山車が続き、日高中学校前の御旅所で再度、諸芸を納めた。
中志賀が、のぼり差しを50年ぶりに復活させ、宮入り時と宮と御旅所で登場。杉浦研太さん(26)が差し手を務め、のぼりを振ったり、額にのせたり、片手で瞬時に持ち替えるなどの曲芸を披露し、勇壮な姿に見物人から大きな拍手と歓声があがった。
年行司の古屋智生さん(43)は「50年の重みを感じた。昔ののぼり差しを見たこともある人もおり、懐かしんでもらえた」、中心になって取り組んだ若衆頭の裏直記さん(33)は「ようやく実現できた。いろんな人にお世話になり、感謝しています」、杉浦さんは「多くの人の前で披露でき、感無量。絶やすことなく続けていければ」と話した。
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