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日高町がフジバカマ苗木を町内各校に配布 〈2017年5月11日〉

2017年05月11日 08時30分00秒 | 記事

フジバカマを植えて環境作り(内原小)

アサギマダラ


 日高町教育委員会は西山周辺が秋のアサギマダラ飛来地として有名なことから、町内小中学校へアサギマダラが良く止まるフジバカマの苗木を配布した。町教委は生命の尊さ、自然の素晴らしさを体感してもらおうと、毎年、秋にアサギマダラの自然観察会を開いているが、校内で飛来してもらえる環境を作るのは初めての試みで、児童らに西山が飛来地であることや生態などを知ってもらいたい考えだ。

 アサギマダラ(Parantica sita)は、タテハチョウ科マダラチョウ亜科に属し、薄い水色の模様と茶系統の羽が特徴で、広げると10センチほどになる。長距離を移動する渡りチョウで、春に北東へ向かうが、気温の低下とともに秋頃、中部地方などから南下し、西山で休憩して体力を回復した後、紀伊水道を横切って四国、九州方面へ移っていく。近年では西山から、台湾や香港まで飛んだ国外例も報告されるようになっている。
 平成14年度から始め、毎年恒例となっている西山山頂付近での自然観察会「アサギマダラの旅」では、生態についての勉強や、羽に記号をマーキングして移動距離や方向などを調査し、児童に自然の生き物の不思議さを体験させている。
 西山から39日間で1576キロ離れた沖縄県八重山郡与那国町(与那国島)で再捕獲された観察会での児童による過去最長記録もあったりするが、観察会への参加者が少なくなったこともあり、もっと子どもらに知ってもらおうと、フジバカマ苗木の各校配布を計画した。
 このほど、町民から無償提供を受けた約40株を日高中、内原小、志賀小、比井小に振り分けて配布、校庭など根を張りやすい場所へ定植した。西山山頂付近に生息するヒヨドリバナにアサギマダラが集まりやすいが、フジバカマもキク科ヒヨドリバナ属の多年生植物で8~10月ごろには、散房状に淡い紫紅色の小さな花をつけ、秋にアサギマダラが蜜を吸う姿が見られるという。
 町教委は「飛来地として有名な西山がある日高町の特徴を知ってもらうため、少しでも飛来してもらえるようにし、秋になって各校へ移ってきて、児童、生徒に観察してもらえたら」と期待している。


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