紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

アジア・オセアニア高校生フォーラム(24~29日)で日高高生3人意見発表 〈2018年7月13日〉

2018年07月13日 08時30分00秒 | 記事

本番を前に発表内容を確認する
鎰谷さん、小早川さん、岡久さん(左から)


 県主催のアジア・オセアニア高校生フォーラムは、今年も24日から29日までの日程で開催、4回目を迎える。日本から県内14校20人、県外5校5人、アジア・オセアニア地域の20の国・地域から20人の高校生が一堂に会し、3泊4日の英語合宿をしながら、それぞれの研究課題について意見発表しディスカッション。日高高校からは、鎰谷美夢さん、岡久鈴乃さん、小早川ありささん(ともに2年)が津波・防災対策を研究課題として参加し、地域の避難所となっている学校での避難所運営案を発表・提案して、高校生の防災意識高揚を呼びかける。

 平成26年度に日高高校が100周年記念事業として行った「アジア高校生フォーラム」の意思を引き継ぐ会。すべてのプログラムを英語で実施する。海外からの参加国は、インド、インドネシア、オーストラリア、カンボジア、韓国、中国、トルコ、ミャンマー、モンゴルなど20の国と地域。
 24日午後1時30分から県民文化会館で開会式を行い、参加各国・地域を紹介。小早川さんは、外国からの参加生とともに開会宣言する。25日は世界遺産の高野山で研修ツアーを行い、鎰谷さんはツアーガイドとして外国からの高校生を案内する。26日は県民文化会館とアバローム紀の国で分科会を開き、(1)津波・防災対策(2)環境問題(3)観光・文化(4)教育-の4つのテーマを研究課題に、意見発表。3人は(1)に参加し、岡久さんが発表する。27日午後1時から全体会を開き、分科会で出された意見を参加者全員で共有してディスカッション。全体会で、鎰谷さんは司会を務め、小早川さんは分科会の意見を取りまとめて発表する。全体会終了後は、ホテルグランヴィア和歌山ル・グランで開く仁坂吉伸知事主催のレセプションに集い、参加者同士の親睦を深める。
 岡久さんが分科会で発表するのは、学校を舞台とした避難所運営マニュアルづくりの構想。3人は去る5月から、いざ災害が起こって学校が避難所となったとき校舎内のどの部屋をどう活用するか、備蓄の現状にどんな課題があるかなどを、教員や市の防災担当課にアドバイスを受け検討。昨秋の防災スクールでの学びや、実際の大災害被災地の教訓も参考に、避難者を2000人とし、地震発生の時間帯、津波の有無などさまざまな場合を想定して、最善の避難所運営策を考えた。本部は分かりやすく入口付近に置き、高齢者の避難部屋は本部横に広めのスペースを確保し配置。避難生活者には入居カードを配布して人員管理をしやすくするなど、きめ細やかな工夫を凝らした。
 そうして取りまとめた、自分たち高校生が本部運営を担える態勢案を、有事の際は自分の身は自分で守ろうとの視点から発表する。「案は、高校生の視点からしかできていなくて不十分ではある。それでも聞く人に現状を受け止めてもらって、防災意識を高めてもらえれば。このまちを守りたいと、高校生一人ひとり、今自分ができることを考えてもらいたい」と岡久さん。避難所運営マニュアルは、今回のフォーラムで得た意見も反映させ、秋の地域合同防災訓練までに完成させたい考え。
 当日に向け、岡久さんは「国際交流をしたくて参加しました。外国の子たちとしゃべりたい。発表は、今まで3カ月やってきたことの集大成、今の私たちの思いを伝えられたら」。鎰谷さんは、「大きな大会に本校の生徒代表として舞台に立つのはかっこいいな、と思って参加しました。コミュニケーションの仕方や地域の情報を備えて、大会までにうまく高野山を案内できるようにしたい」。小早川さんは「初めての参加で全体会での発表者などの大役を務めますが、これまでの津波サミットやOECD(日本イノベーション教育ネットワークの活動)での経験を生かして、チームを引っ張っていけたら」と話している。


その他の主なニュース

 敬愛会(日高川町)が介護職員の養成と確保めざし奨学金制度創設

 県警音楽隊がロマンシティで「たそがれコンサート」、交通安全呼びかけ

 御坊市教委が2年かけて御坊祭学術調査開始、国指定文化財視野

 山本尚さん(御坊市)由良中学校の部活動指導員に就任、陸上競技指導