はす公園で記念植樹
(左から杉山さん、佐竹さん、ダラジ大使、林さん)
道成寺本堂前で記念撮影
北アフリカのチュニジアに和歌山の桜を植樹する桜プロジェクトに取り組んでいるカイス・ダラジ駐日特命全権大使(52)が、17日に来県し、仁坂吉伸知事を表敬訪問したあと、管内を訪れ、日高川町の道成寺を視察し、御坊市北吉田の舞妃蓮の郷はす公園で記念植樹した。ダラジ大使の知人が協力した民間レベルの取り組みで、ダラジ大使は「桜プロジェクトを通じ、新しい友人がたくさんできた」と感謝し、日本、和歌山、日高地方との「友好関係を長く続けたい」と意欲を示した。
ダラジ大使はソメイヨシノが好きで、チュニジアに植栽したいと、知人の杉山敬子さん=さくらインターナショナルグループ代表、東京都=に相談。杉山さんは平和の願いを込めて民間レベルで中東諸国での桜植樹に取り組んでおり、苗の寄贈を申し出るとともに、杉山さんの知人を通じて御坊市藤田町吉田の松樹園代表の林弘一さん(62)が苗の調達やチュニジアへの移送手配、技術的な助言などに携わった。
林さんが、桜の取扱いに詳しく苗木を豊富に生産している紀の川市の桃山町植木組合に依頼し、苗木を調達。今年3月末に約200本をチュニジアに移送し、現地で保管管理中。4月に駐日大使館で寄贈式を行い、杉山さん、林さんが出席し、ダラジ大使から感謝を受けた。8月にチュニジアの技術者5人が来県し、同組合で管理等の研修を受けたあと、12月から2月ごろ現地で植樹する。チュニジアは雨が少ないが、潅漑設備があるため、桜の成長には問題はないとのこと。
先週にはダラジ大使が二階俊博自民党幹事長を表敬し、プロジェクトの内容を報告。二階幹事長から「良い取り組みだ。頑張って下さい」と激励を受け、17日に来県。冨安民浩県議や三浦源吾日高振興局長、杉山さん、林さんらが同行して午前中に仁坂知事を表敬。仁坂知事は「民間でこうした取り組みを行っていただけるのは本当にありがたい」と、チュニジアと和歌山の友好促進に期待した。
午後管内を訪れ、道成寺で小野俊成院主が本堂などを案内し、道成寺の歴史を説明したり、英語で安珍清姫物語の絵解き説法を行った。舞妃蓮の郷はす公園では中村裕一県議や二階俊樹代議士秘書をはじめ、地元住民ら50人がチュニジアの国旗を持ち出迎え。佐竹成公・北吉田蓮保存会長が公園を紹介し、地元の宮原浩子さん=日本てまりの会教授=が桜をあしらった手づくりの紀州手まりをプレゼント。ダラジ大使がモクセイ科のアオダモ、杉山さんがナツツバキをそれぞれ記念植樹した。
ダラジ大使は「多くの皆さんから心のこもった温かいおもてなしを受け、感動しました。桜プロジェクトに協力してくださった杉山さん、林さんをはじめ多くの皆さんに感謝の気持ちで一杯です。平和を願う気持ちは一緒。チュニジアに戻ったら皆さんのことを伝えたい。小さなプロジェクトだが、たくさんの新しい友人が増えた。友好関係をこれからも末長く続けたい」とあいさつ。出席者も「これを機に和歌山の桜が世界中に広められれば」「プロジェクトの成功、友好促進を期待したい」と話した。
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