飛鳥Ⅱは2006年2月に就航。「洋上のオアシス」と呼ばれ、デッキは8層あり、乗客定員872人、乗務員約470人、客室数436室。3月20日から24日まで4泊5日の「春の休日 小豆島・紀州日高クルーズ」(横浜~小豆島~和歌山日高~横浜)で、23日に日高港へ初寄港する。午前8時に入港、午後1時に出港予定。桜咲く道成寺などへのシャトルバス運行、白浜観光などオプションツアーを検討している。
受け入れに向け、県港湾空港局が誘致に向けた取り組み、県内で受け入れ実績が最も多い新宮港の取り組みなどを説明。今後強化すべき課題では寄港回数を積み上げるために乗船客の印象向上につながるおもてなしの充実、オプションツアープランの提示、岸壁に市民が集う仕掛けづくり、市街地への乗船客誘致と消費喚起の仕掛けづくり、乗船客のニーズに合致したサービスの提供などを挙げた。
船会社は寄港地を決める際、乗船客のアンケート調査を重視しており、乗船客の心に残るおもてなしを提供することが重要なポイントだという。また、新宮港の事例で体験型ツアーなど豊富なメニュー提案、まち歩きなどオリジナルツアーの実施、市街地へのシャトルバス運行、舩会社から要望の多い岸壁での物産販売や地元料理の振る舞い、会員700人がいる地元見送り隊の結成などを紹介。
一元的な受け入れ態勢を整えるため、平成26年に新宮市を中心に関係団体で受け入れ協議会をつくり、今年、周辺町村を含めた広域協議会に発展させた。これらを参考に御坊市は「定期寄港につなげられるよう乗船客に喜んでいただける最大限のおもてなしを提供したい」と、県や市観光協会、御坊商工会議所、日高広域観光振興協議会など関係団体と連携して岸壁で盛大な「おもてなし」イベントを計画し、必要な補正予算を組む方針。
これに伴い、日高港振興協議会の吉田擴御坊商工会議所会頭ら会員、三浦源吾日高振興局長、室康弘市産業建設部長、木下由美市商工振興課長ら県、市、市観光協会関係者26人が21日に新宮港に寄港する「にっぽん丸」の歓迎・お見送りイベントを視察するほか、市担当者が11月23日に新宮港に寄港する「飛鳥Ⅱ」のイベントも視察し、今後の参考にする。また、受け入れ態勢についても御坊市を中心に官民で組織をつくることを検討する。
70トンの係船杭近く設置
国が2億円で岸壁改良
大型客船が接岸する日高港の塩屋第一岸壁の長さは「飛鳥Ⅱ」より1メートル短い240メートルしかなく、係船時に綱をつないでおく杭が足りないため、国交省和歌山港湾事務所が施設改良に着手している。事業費2億円。
岸壁の先端から約20メートル先の海上に係船杭を新設し、船首部分をつなげられるようにする。係船杭は高さ15・5メートル、重さ70トンあり、和歌山下津港で製作中。近く日高港まで海上輸送し、現場に設置する。9月中に終わり、その後、岸壁と係船杭をつなぐ桟橋を設置し、飛鳥Ⅱの寄港に備える。
その他の主なニュース
● 県農業職新人らが実地研修、作物栽培や農家の実状を学ぶ
● 夏の高校野球 日高中津が海南下し日高勢初陣飾る
● 日高川町が被災地の倉敷市に職員派遣、給水車で4人の職員が活動
● 国体バドミントン県代表に柏木颯、岩橋稜典君(耐久高・松洋中出身)