「もう一歩」と支援を訴える中村候補
支持・支援を呼びかける楠本候補
後半戦に入った県議選御坊市選挙区(定数1)は、自民党前職の中村裕一氏(63)=熊野、当選8回=と、共産党現職の楠本文郎氏(68)=塩屋町南塩屋、当選1回=の両陣営が街宣や街頭演説、ミニ集会、ローラー作戦など、あの手この手の総力戦を展開。保守票、浮動票をめぐり、激しい票の奪い合いが繰り広げられており、前回同様に最後までもつれそうだ。両陣営にこれまでの情勢、今後の戦い方を聞いた。
4年前は保守分裂選挙となった平成28年御坊市長選のしこりが尾を引いた中で行われ、保守票、浮動票を奪い合う激戦となり、楠本氏6193票、中村氏5946票と、わずか247票差で決着。この時のしこりは未だ解消したとは言い切れず、今回も保守票、浮動票の動き、投票率が大きなカギを握っている。両陣営とも前回、投票に行かなかった人(前回投票率62・53%)への働きかけに力を入れている。
中村陣営 公明党県本部やJA紀州など100を超える団体・地区から推薦を受け、農協を先頭に精力的に動いているほか、前回と異なり、今回は出陣式に市長が出席したり、前回、相手候補を応援した団体代表らが今回は中村氏の応援に回っているなどプラス面があり、陣営は「少しずつ感触が良くなっており、前回より手応えを感じている。良いところまで来ており、もう一歩」と、陣営の士気は上がっている。
中村氏は、できるだけ多くの有権者と接しようと前哨戦を含めて早い地域で4周目に入っており、自転車遊説、街頭演説、ミニ集会等も重ねている。勝手連的に若い世代や女性の支援者が集まり、チームを組んでローラー作戦を展開したり、SNSを使って政策を訴えており「着実に支持は広がっている」と見る。
一方、相手候補の名前が浸透し、保守層を十分にまとめきれていないなど不安材料もあるため「厳しい戦いが続いている」と危機感も持ちながら、投票日に向け「油断することなく、1票ずつ票の上積みを図っていきたい。前回投票に行かなかった人に投票してもらえるよう訴え続け、相手より1票多く獲得して勝ちたい」と、総力を上げる。
楠本陣営 前回も9期35年間の市議の実績や人柄から組織に留まらず保守層や無党派層など支持は党派の垣根を超えていたが、今回は4年間の県議としての実績もプラスアルファ、支持は一層広がりを見せる。陣営では「反応はいい。楠本さんの“市民の声を届ける”という県政への熱い思いと政策、草の根からの訴えが浸透しつつある。支持は大きくなっている」といい、陣営の動きも一層加速している。
楠本氏は前哨戦で選挙区内を2巡。告示後は連日区内をめぐりながら約20カ所にも及ぶ街頭演説で訴え、狭い町中は徒歩で遊説。女性の会もスタンディングアピールするなどで新たな支持層獲得に努め、陣営も草の根からの懸命の呼びかけを展開。若者層や女性層に浸透しつつある上、“思わうぬ人・ところ”からの応援もあるという。
陣営は「激しい選挙戦であることは間違いない。前回投票にいかなかった約7000票の動向がポイント。草の根、草の根からの訴えで楠本さんを知ってもらって投票していだけるように尽くす。1票差でもいい。何としても勝ちたい。1票1票積み重ねて戦い抜きたい」と力を込める。
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