集約の上、建て替えを検討する公営住宅
(写真は庚申町団地)
御坊市は、令和5年度から14年度まで10年間の公営住宅等長寿命化計画を策定した。「耐震性がない」と診断されている紀小竹、庚申町、富安各団地5棟については前計画では「すべて建て替える方針」だったが、新たな計画では「集約の上、建て替えを検討する」と表現を変えた。今後10年間の間に入居者移転意向調査などを行いながら団地更新計画をつくり、次期計画期間での事業化をめざす。
公営住宅は8カ所で計231戸、改良住宅(二戸一住宅含む)は26カ所で計527戸の総計758戸あり、今年3月末時点で入居者がいる戸数は568戸。新たに中長期的な管理見通しを検討し、30年後の管理戸数を758戸から約4割減らした422戸とする想定を初めて明記した。
耐震診断で「耐震性がない」と診断された公営住宅の扱いは、前計画では紀小竹団地1号館(昭和30年築、24戸)は用途廃止し、同2号館(同44年築、35戸)庚申町団地1号館(同45年築、24戸)同2号館(同46年築、24戸)富安団地1号館(同44年築、32戸)同2号館(同45築、24戸)の計5棟は建て替えだった。
5棟すべてを建て替えれば50億円以上の事業費が必要とみられ、国の補助金(2分の1補助)を活用しても市の財政負担は大きいことなどから、新しい計画では5棟すべてを建て替えるのではなく「集約の上、建て替えを検討する」と表現を変えた。この6棟については、すでに平成23年度から新規入居募集を停止しており、紀小竹団地1号館は約8割、他の5棟は約5割が空室となっている。
今後、令和14年度までの計画期間中に建物の劣化診断など現況調査、入居者移転意向調査、建て替えまでの適切な改修を行いながら、5棟からいくつに集約するかなど具体的な団地更新計画をつくる予定。この計画に基づき、次期計画で建て替え事業に向けた準備、建て替え団地の整備など進めたい考え。
294戸ある二戸一住宅の対応は「耐用年限超過後に空き家になった住棟から用途廃止を検討する」と明記した。現状は約8割が入居しているが、建築からすでに40年前後経過。前の計画では修繕対応しながら払い下げの方針を出していたが壁1枚の直接連結、2戸で1基の浄化槽を共同使用している構造上の問題などから払い下げは事実上困難なため、耐用年限(45年)を過ぎた空き家は募集停止にして用途廃止、あるいは他団地への集約を検討することにした。
耐震診断で耐震性があると判断され、屋上防水など必要な修繕を行ったひまわり団地や、築20年程度と最も新しく、新規募集すればすぐ埋まる日高川ハイツ、グリーンハイツにしても日々の維持修繕費は年ごとにかさんできており、計画的に維持管理しながら長寿命化を図る方針だが、10年先を見据えれば大規模改修や建て替えが新たな課題となってくる。
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