経営強化が課題のひだか病院
御坊市外5ヶ町病院経営事務組合(管理者・三浦源吾御坊市長)が経営する「ひだか病院」(尾﨑文教院長)は、総務省が示したガイドラインに基づく新たな公立病院経営強化プランを策定した。厳しい経営状況の中で「持続可能な地域医療提供体制の確保」が至上命題となり、経営形態の見直しや施設・設備の最適化、経営の効率化等を図りながら早期の経常黒字化をめざす。
総務省ガイドラインに基づき平成22年に改革プラン、29年に新改革プランを策定したが、23年度から9年連続赤字決算など厳しい経営状況が続く。コロナ禍では病院挙げての積極的な対応が国や県からの手厚い財政支援につながり、令和2年度約5億円、3年度約6億円の黒字。4年度も数億円の黒字が見込まれるが、財政支援が9月末で終了するため、アフターコロナの病院改革、経営強化が喫緊の課題となっている。
昨年3月に総務省が示した新たなガイドラインに基づき、今年7月に公立病院経営強化プランを策定。計画期間は4年度から9年度までの6年間で「持続可能な地域医療提供体制の確保」をめざし(1)役割・機能の最適化と連携の強化(2)医師、看護師等の確保と働き方改革(3)経営形態の見直し(4)新興感染症の感染拡大時等に備えた平時からの取り組み(5)施設・設備の最適化(6)経営の効率化を大きな柱に掲げている。
(1)は地域中核病院として従来の5疾病5事業に新型コロナなど新興感染症等対応医療を加えた5疾病6事業の取り組みを明記。精神科医療の積極的な対応や救急医療の強化、小児医療の維持、病病・病診間の連携強化等も進める。(2)は県立医大との連携強化、臨床研修医の受け入れ等を通じた若手医師の確保、看護専門学校の適正な運営など。
(3)は地域事情を踏まえ経営強化に向けた最適な病院形態検討など。(4)は感染症に対応する人材の育成、必要な医療材料・備品の確保など。(5)は電子カルテシステム更新やマイナカードの健康保険証利用の促進などDXの推進。(6)は収入増加対策、経費削減・抑制対策、救急医療体制整備、事務局体制の強化に努める。
収支計画は赤字額を5年度3億4200万円、6年度2億6100万円、7年度1億9100万円、8年度1億7900万円、9年度9600万円、10年度7500万円と減少させ、11年度で300万円の黒字をめざす。病院側は「今後も安心・安全な医療を持続的に提供し、地域住民に親しまれ、信頼される病院であり続けるため、できるだけ早期に経常黒字化を達成できるよう最大限努力したい」としている。
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