指定を検討中の西川流域
(地図は美浜町、御坊市一部区域)
県は、西川(二級河川)流域の管内4市町と連携し、西川を特定都市河川に指定するための検討を始めている。県管理河川の指定は知事が行い、指定後は国がハード対策を計画的、集中的に支援するため、河川整備事業のスピードアップが図られるほか、流域治水の実効性を高めるため、田畑等を一定規模開発する際は雨水貯留浸透対策が義務付けられる。県内河川の指定は初めてとなり、早期の指定をめざしている。
県は、日高川水系河川整備計画に基づき、西川や下川、堂閉川などで河川整備事業を進めているが、西川流域は過去から浸水被害が多発し、昨年6月豪雨では御坊市、美浜町、日高町、日高川町で床上・床下浸水など大きな被害を受け、整備事業のスピードアップが求められている。6月豪雨では過去に被害がなかった地域でも被害が発生したことから流域治水の実効性を高める必要性もある。
国は令和3年に整備された流域治水関連法の中核をなす特定都市河川浸水被害対策法に基づく特定都市河川指定を全国の河川に拡大中。ハード整備の加速に加え、国・県・市町村・企業等のあらゆる関係者が協働してハード・ソフト一体の水害対策「流域治水」を推進しようと、国交省近畿地方整備局管内では西川流域が検討対象に入った。
日高川水系の西川流域は御坊市、美浜町、日高町、日高川町にまたがり、西川をはじめ下川、東裏川、斉川、堂閉川、財部川、富安川、北吉田川、千津川、和田川、志賀川、小中川などあわせて19河川ある。指定されれば国の重点支援により、日高川水系河川整備計画に基づく整備事業のスピードアップが図られ、同計画に載っていない事業も必要に応じて対象になる。
さらにハード・ソフト一体の「流域治水」の実効性を高めるため、指定後は公共、民間問わず1000平方メートル以上の土地(宅地等以外の田畑等)を開発する場合(雨水浸透阻害行為)は、水害リスクが高まることがないように対策工事(雨水貯留浸透施設の設置)が義務付けられる。
指定後は、県や4市町等で流域水害対策協議会を設置するため、その準備会を25日午後3時から御坊市役所で開き、県の県土整備部長や日高振興局長、4市町長が意見交換し、指定に向けた取り組みなどを協議する。今後、地域住民や関係団体等への説明も行う。
現在、全国で25河川が指定済み。令和5年度から9年度までの間に検討中が29河川あり、県内は西川、市田川(新宮市、一級河川)が対象となっている。
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