鏡平山荘では、夕食後コンサートがありました。リピート山中さんという関西出身のエンターテイナーで、ユーモアを交えた話とヨーデルで皆を笑わせ、感動させます。皆がよく知っている”神田川”や”雪山賛歌”などでは全員が声を合わせて盛り上がり、歌声喫茶のような楽しい雰囲気でした。コンサート開始直後に、一日中霧に隠れていた槍ヶ岳が窓の外に姿を見せ、山中さんを含め皆が窓際に寄っていく一幕もありました。
翌日、第6日目の朝、4時に起きてみると昨日以上に素晴らしい星空です。早速カメラをかついで鏡池畔に行くと、暗い中で先客が一人すでにカメラをセットしていました。中津川の方で、鏡平で写真を撮るために今まで何回もここにきているとの話でした。
頭上に輝くオリオン座の星々
オリオン座がすでに東の空高く上がり、シリウス、プロキオン、木星、火星などが槍ヶ岳の上にかかっています。
明けがたの星座と槍ヶ岳
木星と火星ははふたご座に。大犬座のシリウス、小犬座のプロキオンの4つの星がひときわ明るく輝きます。写真の”リゲル”はオリオン座”カッパ星”の誤りです。
槍ヶ岳肩の小屋の灯も見えます。次第に明るくなる空を背景に、槍ヶ岳のシルエットが浮かび、鏡池は静かな水面にみごとな逆さ槍を映しています。4時過ぎから太陽が顔を出す6時ごろまで、鏡池のほとりで刻一刻変わる空とあたりの景色を眺めていました。
黎明の鏡池と逆さ槍
前夜のコンサート、この日の朝の星空と、1日下山を延ばして本当によかったと心から感じました。
コンサートのさわりと突然の槍ヶ岳出現、翌朝の鏡池の様子を動画にもアップしました。
6時過ぎに朝食をとり、7時に山荘を出発。いよいよ下山です。この日は4日目と同じような快晴。山道からは近くの笠ヶ岳、焼岳、遠くの乗鞍岳が大きく見えます。
鏡平すぐ下の登山道から見る笠ヶ岳
焼岳(左)と乗鞍岳 -シシウドヶ原付近より
秩父沢には8:50着。一息いれて一気に小池新道入口、わさび平小屋を過ぎ、11時、出発点の新穂高に無事戻りました。
秩父沢 秩父沢からの槍ヶ岳
入山前宿泊した中尾高原の宿に立ち寄り、入浴できるかどうか尋ねると、快く許してくれたので、再び錫杖岳を眺めつつ長旅でたまったアカを落としましtた。
中尾高原の温泉
ゆとりのある贅沢な日程で、前半は少し雨にたたられましたが、後半4日間は良い天候に恵まれ、5泊6日の充実した山歩きをほぼ予定通り、無事終えることができました。