日程:2011年10月7日(金)夜~11日(火)
同行:Y岡(軟式クライミング部)
一日目
天候:のちガス
行程:扇沢6:00-種池山荘9:20-爺ケ岳・中峰10:45-冷池山荘12:00-鹿島槍ヶ岳・南峰14:15-B.P16:10
今回、当初の計画では扇沢から入って剣岳周遊(源次郎尾根-北方稜線-下ノ廊下)を予定だったが、剣御前小屋の話では既に積雪5~10cm。
雪というよりはむしろ中途半端に凍った状態で、源次郎尾根など完全冬山装備のエキスパートでないと厳しいらしく、また、その手前のアプローチ(内蔵助谷)でも崩落情報ありで、あまりに条件が悪い。
まったり山の温泉&紅葉モードでいたので気持ちの切替ができず、かといって「さわやか信州号」のキャンセル代ももったいないので、扇沢からの別コースとしてオーソドックスな後立山縦走とした。
新宿から夜行バス「さわやか信州号」に乗り、未明に立山黒部アルペン・ルートの玄関口「扇沢」着。
朝の扇沢ターミナル
で、いざスタートしようと思ったら、早くもトラブル発生。
ナント、相方のY岡が食料をほとんど忘れてしまったとのこと。・・・キム兄のセリフじゃないが、それって「ありえんぞ?」
まさかここまで来てすぐにUターンで撤退するわけにもいかず、ターミナル内の売店を物色するが、あるのは土産用のお菓子ばかりで、まともな食料はほとんど無い。
しかたなく私の食料を小分けにして、後は途中の小屋で補充しながら行くことにする。・・・一体どうなることやら。
スタート地点、爺ヶ岳の登山口はターミナルから一旦舗装路を引き返し、「扇沢」という沢の脇から。
長野県警?の人が詰めていて、ここで登山届を出す。
登山口
ボチボチ行きますか。
軽装の小屋泊まりの人たちに抜かされつつ、テント泊重荷の我々はマイペースでフゥフゥ言いながら進む。
最初の経由地、種池山荘
黒部川を挟んだ向こうの立山方面は予想以上に真っ白。これじゃ、とてもじゃないが剣は無理。
あの鐘を鳴らすのは、あなた?
山を始めて間もないY岡は今回のコースは初めて。なので、できる限りピークを踏んでいく。
最初のピーク、爺ヶ岳南峰を過ぎ、同・中峰へ。
冷池山荘に着いたところで、水を補給。
0.5Lで150円・・だったかな?1.5Lほど購入。Y岡は夕食としてカップ麺を買う。
テント泊指定地としては本日はここまでとなるが、まだ昼になったばかりだし、既に山は半分冬の状態。
大きな小屋を除いてほとんど営業終了となっていることから先へ進ませてもらう。
小屋でこの先の状況を聞くと、手前の鹿島槍南峰までは問題ないが、その先は雪が付いて別世界とのこと。
まぁウチら、今回オーバー・スペック気味にピッケル、アイゼン、30mロープまで持ってますんで。
それにしても足が重い。
Y岡はソール固めのトレッキング・シューズなのでまだ良いが、私は新雪の山に手頃な靴を持っておらず、冬用の重たい靴を履いているので、なかなかペースを上がらない。
かったるい登りをこなして、鹿島槍の南峰、着。
それまで秋晴れだった空はここにきて非情のガス。
山頂にいるのは我々の他、熟年夫婦と単独行の三組のみといった寂しい風情。
立ち止まっているとたちまち冷えてくるので、先へ進む。
本日、この先へ進むのは我々のみ。
で、この先がたしかに悪かった。
急な下りはアイゼンを履くには中途半端な形で凍り付いており、けっこう際どいクライミング・ダウンを強いられる。
ロープを出して懸垂かと思われるポイントもあったりして、まるで気が抜けない。
ほとんど冬山状態に北峰は割愛。
八峰キレット小屋は既に営業終了。
今夜は適当なところで幕とする。
明日に備えて早々と眠りにつくが、夜半になって正体不明の大型動物が「ギャオ!・・ギャオ!・・ギャオ!」と一定の間を置いてわめき散らし、やかましい。
熊でもなく、鹿の声でもない。たぶん猿だと思うが・・・?それにしてもウルセーな。一体、何時だと思ってるんだ!静かに寝てろや。
2011年秋 北アルプス・後立山縦走(一日目)