三日目
天候:強風
行程:起床4:30-出発5:30-不帰キレット6:50-天狗平8:45-白馬鑓ヶ岳9:40-杓子岳10:45-白馬頂上山荘12:05~40-白馬岳13:00-白馬大池15:35
本日は朝イチで不帰キレット越え。
連日とも起きてからテント撤収、出発までキッチリ1時間でこなせているのはなかなか効率的だと思う。
昨夕擦れ違った単独のニイちゃんの話では不帰2峰の北峰側にスッポリ穴が抜け落ちていて要注意とのこと。
鎖や鉄梯子を頼りに岩場をトラバースしたりクライムダウンで通過していくが、肝心の穴はそれほど大きくはなく、ロープなどが必要なわけではなかった。
まぁ念のため、それ以上周りを踏み抜かないように慎重に通過。
不帰二峰・北峰に開いた落とし穴
不帰キレットは以前GWに白馬主稜から継続して通過したことがあり、これが二度目。
登山地図では熟練コースになっているが、気を入れて臨めば意外とあっけない。
途中、反対側からのパーティーとも擦れ違う。
登り返しはまたダルい登りが続き、天狗の頭、そして既に今季営業終了となった小屋のある天狗平を通過。
この辺りから西風が猛烈に強くなり、普通に歩いていても「欽ちゃん走り」のようになってしまう。
天気が良くて助かるが、風は完全に冬山だ。
たぶん私の方がザックは重かったと思うが、Y岡が気を利かせてロープを持ってくれる。
冬用の靴を履いているだけでもハンデだったので、これは助かった。
まぁ考えてみるとY岡は私の長男と同じ歳。このぐらい、いたわってもらわないと・・・。
白馬に近づくにつれ、多少雪が増えてきた。
それに加えてこの辺りは山肌が白っぽい砂地なので、眩しさと空気の薄さで頭がクラクラしてくる。
西風は相変わらず強いが、せっかくなので、ここでも白馬鑓、杓子岳と律儀にピークを踏んでいく。
白馬鑓山頂
杓子岳山頂
30年以上も前に大学山岳部の新人合宿で登った双子尾根など覗いてみるが、今、改めて見るとボロボロ。
雪が付いていればもう少し安定しているのかもしれないが、よくもこんなガレキのリッジを登ったもんだ。
村営の白馬頂上宿舎は既に営業終了、さらに上部の白馬山荘へ。
こちらは営業中だが、三連休の最終日とあって登山者はほとんどいない。
ちょうど昼なので食事を期待していたY岡だが、カップヌードルぐらいしかないと聞き、ガッカリ。
しかたなく、ここでまた菓子など購入。水はタダで分けてもらえた。
小屋で大休止後、いよいよ白馬岳へ最後の登り。
昨日まではかなり賑わっていただろうが、今日の山頂はウチら二人だけ。
白馬岳頂上。Y岡は初めて、私はこれで四回目(春2回、秋2回)。
これまで歩いてきた稜線を眺めながら、しばし休憩。いやー、こうしてみると、けっこう歩いた。
大雪渓を下って終わりにしても良かったが、日程的には十分なので本日は白馬大池泊まりとし、明日、栂池下山とする。
下り始めると、それでも大池の方からポツポツと登山者が上がってくる。
「また山へおいでよ」 byニセ島崎三歩
少し行ったところで雪の道の真ん中で、ストックにしがみつくようにしてヘタリ込んでいる単独のおっちゃんに遭遇。
ナップザックを背負っているが、明らかに軽装でもうヨレヨレ。擦れ違うにも、道を空ける気力もなくヘタっている。
「大丈夫ですか?」と聞くと、一応「大丈夫です。」との返事。
で、擦れ違って、しばらく進んだところで気になり振り返ってみると、まだ雪の上にヘタリ込んだまま。
私 「大丈夫ですかぁーっ?」
おっちゃん 「・・・大丈夫・・・ですかね?」
はぁ?何言ってんだ。もう一回尋ねてみる。
私 「大丈夫ですかぁーっ?」
おっちゃん 「上、行っても・・・大丈夫・・・ですよね?」
いやいや、そんなこと聞かれても知るかい!
私 「そうじゃなくて、あ・な・た・が・大・丈・夫・なんですか!」
おっちゃん 「・・・・・・やっぱり、やめときます。」
とりあえず無茶はしないで諦めるようなので、ウチらもそのまま下り始める。
その後、追いついてきたが、本当は小蓮華山まで行こうとしたところ通り過ぎて白馬の頂上手前まで進んでしまったらしい。
まぁ、いろんな人がいるもんだ。
白馬大池のテン場はウチらを含めてわずかに三張りほど。
山荘のスタッフはいたが、もう今季は営業終了とのことで幕営料はタダだった。
2011年秋 北アルプス・後立山縦走(三日目)