暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

笑顔

2022年07月26日 | 古民家
 夏の思い出が・・・田舎の海や山・・・風鈴にカキ氷、お祭りや盆踊り・・・
子供の頃に、踊るような記憶が多いのは・・・
大人になると遊んではいけないような暮らしだったからなのか・・・
家族の旅行も少なくなると・・・寂しい親の顔が浮かんでくるようで・・・
威厳を持ち合わせないといけない頑固な父親も・・・不器用な暮らしの中  にいたのかも知れない・・・。
田舎のある暮らしとどちらが豊かな暮らしなのか・・・難しい問いかけになるような気がしますが・・・
夏の過ごし方が、懐かしく文化的な事ばかりではなくなっているような気がします・・・。

無邪気な子供に・・・遊ぶ場所も・・・暮らす場所も、楽しければ意見は無く・・・
面白い時間を創り出して・・・けん玉や鬼ごっこでも、ゲームやSNSでも・・・
創意工夫に際限は無く・・・どこでも楽しめる心持が子供の特権だったのに・・・
可能性しかない子供の未来が、世界にまで広がって来たのに・・・
田舎の町の・・・小さな公園で、大きな口で笑いながら遊ぶ子供達よりもつまらなさそうに・・・
しょげてばかりの子供が、笑顔でスマホ片手に電車に乗っているような気がします・・・。

なんて事の無い普通の暮らしがつまらなくて・・・農家で毎日の手伝いに・・・
兄弟の世話をするのが当たり前の、お兄ちゃん・お姉ちゃん役に嫌気がさしていた古い古民家での暮らしは・・・
失ってみて気付く事ばかりな気がして・・・手にするモノは多くても・・・
心の中から失ってしまった寂しさに、押しつぶされそうになってしまう・・・。
気楽さの中から学ぶ事よりも・・・窮屈な中から選ばれた豊かさを見つける喜びは・・・
何もない公園ではしゃぐ子供みたいに・・・踊る笑顔になれるような気がします。



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見知らぬ

2022年07月25日 | 古民家
 目に見えない・・・見知らぬ誰かは恐怖で、受け入れられない何かに生まれ変わり・・・
廻りと相容れない誰かを排除するような暮らしが、ずいぶんと長い時間流れて行きました・・・。
妖怪や幽霊は・・・人の恐怖が生み出した物語で、各地で色濃い物語が生まれています・・・。

農村の暮らしや、里山の暮らしが・・・日本の原風景でも・・・
古民家の暮らしは見知らぬ暮らしになり・・・住空間が変えられてしまった環境では・・・
和室の続き間に・・・壁の少ない、建具だらけで風通しの良い住まいでは・・・
今の暮らしにはそぐわない・・・見知らぬ住環境になってしまったんだと思います・・・。

地震にも弱くて・・・夏や冬も住みづらい、とレッテルを張られた古民家にも・・・
懐かしさや・・・落ち着いた空間だと、集まる若者やお店に企業・・・
どこか安らぎを感じられる空間は・・・日本の原風景が運んでくれた住処です・・・。
柔らかく力をいなす柔構造の造り・・・大きな屋根で、おひさまを受け止めて心地よい風が流れ行くのが伝統の工法で・・・
時代が変われば見知らぬ歴史が過ぎて行くばかりでも・・・残されなければいけない相容れない歴史もあって・・・
姿を少しづつ模様替えしながらも・・・地域で生まれる伝統に技術や、見知らぬ物語は生み出れて行くんだと思います。

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2022年07月24日 | 古民家
 風が通り抜ける住まいの心地よさは・・・
軒の出が深い大きな屋根が・・・おひさまと上手にお付き合いして・・・
夏と冬の不釣り合いも受け止め・・・四季の顔を暮らしの中に流してくれます・・・。
ヒラヒラの障子が頼りなく・・・イ草の触り心地に心を寄せて・・・
三和土にひと風通り抜ければ・・・夏の過ごし方が懐かしさを運んで来る・・・。

ピカピカに冷えた場所に・・・一時腰を下ろしても、安堵は頂けなく・・・
長くずっと腰を据えるには・・・安らぎや、安心を感じられないと、落ち着いていられないように・・・
急に変わって行く町や景色に・・・住む人が追いつかず、心が残ったまま違和感を抱えて・・・
建ち並ぶどこにでもあるような街に、暮らしは隠れて行ってしまう・・・。

場違いな街の隙間に・・・瓦屋根と板張りの外壁で、和の佇まいが残っていても・・・
すっかり朽ちて寂しそうに頬杖をついている・・・。
ホロホロと泣いているか、ガサガサと隠れようとしているみたいで・・・
家族の都合や・・・やんごとない理由が山積みの輪の中で・・・
取り残されてしまったのか・・・?
出来る事なら手を差し伸べたいと思う心の中に・・・どうしようもない理由が頭に落とされて・・・
同じような理由で、意味の解らない力が降り注ぎ、壊されて行く古民家があちらこちらで生まれると・・・
一つではない物事の進め方を・・・いろんなところに運べられたら、と・・・思います。


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寄り添う

2022年07月23日 | 古民家
 朝の様子は極彩色で始まり・・・何もかもが動き始める時間に、命の重さが加わって・・・
おひさまが声を掛けなけば・・・誰もがみんな寝ぼけまなこのまま、ユルユルと布団に戻ってしまいそうになって・・・
ビー玉のような露も・・・目隠しのような霧も・・・
ヒタリと湿った、草花や木々の寝起きを見られる大切な時間は・・・
夜と朝・・・夕と夜の奇跡の時間です・・・。

日の出と共に起きて仕事をする・・・太陽が落ちれば仕事を終える・
貴重な昼と夜の狭間には・・・物の怪がアタフタと潜んで、人の暮らしもずいぶん狭間が薄くなってしまい・・・
良く見ないと、誰が人で・・・誰が物の怪なのか、見分けづらい世の中になってしまいました・・・。

人が住めば繋がる住まいも・・・その人がいなければ朽ちるばかりで・・・
自然に寄り添う住まいは・・・静かに還って行くけれど・・・
工業製品ばかりの建屋は・・・いつまでも悲しく忘れられて行きます・・・。
住まなくなった古民家には・・・タヌキやハクビシン、ネズミに百足・・・
ここぞとばかりに寄り集まり・・・夜の宴が始まって・・・
人も物の怪も・・・虫や動物も、繰り返し集まれる住まいとの暮らし方があるような気がします。


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雑木林

2022年07月22日 | 古民家
サクサクと手を伸ばす姿と・・・空に向かってどこまでも手を広げる力強さ・・・
けなげな姿は、無から有を生んで・・・少しの間、気にもとめなかった道を久しく横目で振り返ると・・・
有の雑木林は消え、有象無象の無が広がって・・・無機質な場所がまた作られて行く・・・。

何気なく集まり・・・何事があれば集まって、何も無くても寄り添って宴が始まる・・・
老いも若きも、良く知る人も知らない人達も・・・顔を見れば分かち合う暮らしと風の心地よさ・・・。
幼い頃からガタゴトと・・・目の前を通り過ぎるお節介な暮らしは・・・
疎ましく思う時が歩いてゆくけれど・・・歩かなくなった道の静かさに・・・
無くしてしまった寂しさを取り戻したいと思うはず・・・。

居場所が広がれば・・・楽しさも、物珍しさも手には出来るけれど・・・
積み上げて出来上がる、無造作な地域の暮らしは・・・繋がりや受け渡しの積み重ねで出来上がる時間で・・・
膨らんだ財布でも・・・大げさな町が広がっても、手に出来ず、生まれてもこないモノ・・・。
空き家の数が増えるほど・・・繋がりは減り続け、雑草の森が増えて行くと・・・
雑木林とは違う・・・子供の声も聞こえてこない町になってしまう・・・。
雑多な町や人が・・・雑木林のように広がれば、人の顔が見えて来るような気がします。





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