現代を生きていると、時間に
追われる感覚、振り回される
感覚に常にさらされている
ような気がします。
世のなかの移ろいがそれだけ
速度を増してきたのでしょう。
とどまることなく刻々と消費
されていく時間のなかで、
現代人は過去を悔やんだり、
未来を憂いたりと、右往左往
しています。
仏教に「諸行無常」という言葉
があります
。
この世のあらゆるものは絶えず
変化をしていて、とどまること
はない、ということですが、
これは命のありようをいった
ものです。
一瞬一瞬で変わっていく時間を、
これまた一瞬一瞬変わりながら
生きているのだとすれば、時間
を意識することに、どれほどの
意味があるのか。
時間が流れるように命も流れ
ているのです。
追われるとか、振り回される、
といったとらえ方は無意味です。
この一瞬と次の一瞬では別の
命が存在しています。
さらに次の一瞬にはまた
別の命がある。一瞬を見つめ、
そこで精魂傾けて生きる
意外に手はないではありま
せんか。
仮にその一瞬を失敗したから
といって、その失敗を次の
一瞬にまで持ちこしたら、
新しい命を無駄にすることに
なるのです。