ありきたりな言い方ですが、
ぶあつい雲の上にいつでも
青空が広がっているように、
さびしい気持ち、やるせない
気持ちの外側(内側?)には、
必ず、澄みきった気持ち、
透明でピュアな気持ちが存在
しているはず!
では、おやすみなさい。
これから、夢の中で、会いまし
ょう。
YouTube
The Summer Knows ( Michel Legrand )
https://www.youtube.com/watch?v=dewzUtodswE
「嫌なことは、
その日のうちに忘れろ。
自分でどうにもならんのに
クヨクヨするのは阿呆だ」
-田中角栄氏ー
田中角栄に対する評価は、
まちまち、彼が日本に果た
した役割の価値判断は、
後世の歴史家に任せる
として、
このような角栄
の生き方を見て彼と話
した者は、自分の能力でも
何かやれることがあると
前向きの明るい気持ちに
なる。
梅雨の雨は粒が大きい。ボール
ペンのダークブルーの色さえ
滲ませる。
見覚えのある懐かしい文字。
部屋に入ってからも、封を切る
勇気がすぐ出てこなくて、
彼女は濡れた髪を拭きながら、
遠目に眺めていた。手紙はリ
ビングのピアノの上に置いた。
白い和紙から、雨の匂いが立ち
昇っていた。その匂いは彼女に
胸騒ぎを起させる。
胸騒ぎは遠い潮騒に似て、遥か
な日々を甦らせる。記憶の底の
遠い過去を。
“
あなたとの恋は六月の街に
冷たく消えた
ロソクの火さえあなたの瞳の
冷たい光を暖めはしない“
愛や恋心は、人類不変、永遠の
テーマには違いない。みんな戸惑い、
迷っているからこそ、語られていく
ものだと思う・・・・。
”・・・大丈夫、私。守ってあげる、
あなたを・・・
と、つぶやく私がいた”
YouTube
接吻 ORIGINAL LOVE (PV)
https://www.youtube.com/watch?v=wnFGY_NToEI
初めて届いたLINEは印字して、
折り畳み、いつもカバンの中に
入れていた。
まるでお守りのようにして。
あのひとの声が聞きたくなっ
た時、わたしは笛を取り
出して、そこで三回吹けば
よかった。
本気で、飛行機を遅らせよ
うかと。
そうすればよかったかなと、
実はあのあともずっと後悔
している。
何度読んでも、そこまで来る
と、胸がふるえた。
覚えている。泣き出しそうに
なるほど嬉しいのに、それと
同じくらい、どうしようもな
く淋しかったことを。
読めば読むほど、ふたりの
あいだに横たわる、途方も
ない距離を感じて、あのひと
の言葉をなぞればなぞるほど、
わたしはその茫漠とした距離
に圧倒され、押し潰されそうに
なるのだった。
もっと憎みなさい。恨みつらみや
憎しみの対象が相手から自分に
移る、
相手から一瞬でも眼が逸れる、
それが救いになるんだから。
自分を憎む、捨てた相手じゃ
なくね。
人間というものは他人に対して
理不尽に厳しいものだけど、
こと自分自身のこととなる
と、大目に見たり甘やかし
たりするものよ。
他人に対する憎しみは長い
間持続するけど、自分自信
をそう長く憎み続けること
は、不可能なのよ。
すると、ある朝、あなたは
急に、「もういいや」と、
思うわけ。もう疲れた、
もう自分を許しちゃおう、
とこう思うわけ。
そうやって傷は案外早く
癒えていくものよ。
YouTube
中森明菜 別れの予感(アカペラヴァージョン)
https://www.youtube.com/watch?v=acDQad50Wlo
「毎日のように手紙は
くるけど
あなた以外の人からである
毎日のようにLINEは
くるけど
あなた以外の人がである
毎日のように電話はくるけど
あなた以外の人からである」
YouTube
Olivia Ong - Close to You
https://www.youtube.com/watch?v=HzVXVwLHjPo
二つに割れた心を、持て
余していた。
まとまりのない気持ちを、
ひとつにまとめるようにして、
私は言った。
「過去は過去。私が今好きなの
は、律だけ」
苦しまぎれに吐き出したその言葉
が、静かで深い夜の静寂(しじま)
の中で、紛れもない真実として、
自分自身の声として、胸に迫って
くる。
両親の離婚は―――
ちっとも悲しくなかった、と
言えば、それは嘘になる。
けれど、悲しくて悲しくて
毎日泣き暮らしていたのか
というと、そうでもなかった。
ただ、一度だけ、全身がばら
ばらになるほど激しく、泣いて
しまったことがある。
母が家を出ていってから、二、
三ヶ月が過ぎていた、ある日
曜の朝だった。
騒々しい物音で目が覚めて、
部屋のカーテンをあけたわた
しの目に飛び込んできた風景。
狭い裏庭いっぱいに積み上げ
られていた、鏡台、本棚、書
物用の机と椅子、洋服、バック、
靴、オルゴール、時計・・・
それらはすべて、母の持ち物
だった。
母は家を出ていく時、ほんの
僅かな荷物しか持って出なか
った。
だから、母がいなくなったあ
とも、家の中には母の所有物
が多く残されていた。きっと
そのせいで、わたしはまだ
「母がここにいる」と、感じる
ことができていたのだろう。そ
して、喪失感や寂しさから、救
われていたに違いない。
ねえ、お母さん。いつか、ここ
に戻ってくるよね?わたし、待
ってるよ。
ところがその朝、そんな期待は
木っ端微塵に打ち砕かれた。
母が愛し、慈しみ、使い込んで
きたもの。育ててきたもの。
何もかもがごっちゃにされて、
見るも無残な瓦礫の山と化し
ていた。翌朝、ごみとして
捨てられてしまうために。
それはまるで生きている者
たちのように、悲鳴をあげて
いた。わたしに向かって、
叫んでいた。
「助けて」
「捨てないで」
「連れていって」
「お願い」
その光景を目にした時、全身
から、悲しみが吹き出してきた。
心と同じように物も、痛みを
感じているのだと思った。
捨てられた痛み。愛する人と
離れ離れになった痛み。おそ
らく、わたしはその時初めて、
別れというものを、形あるも
のとして、見ていたのではな
いかと思う。
わたしは泣きながら、パジャマ
姿のまま庭に飛び出して、母
の持ち物の前まで駆け寄って
いった。
何かひとつ、たったひとつ
だけでもいから、救い上げたい。
でも、いったいどれを救えば
いい?
どうやって選べばいい?
これもあれも、母に大切に
していたものばかりなのに。
迷いながらも、手をのばして、
拾い上げて、抱きしめた。
茶色の熊のぬいぐるみ。
胸に赤いボタンがついて
いる――――
それは、幼かったわたしが、
眠る時も、ごはんを食べてい
る時も、テレビを見ている時
も、片時も離さなかった。
まるで友だちのような熊だった。
やがて成長したわたしが手放
したあとも、母は大切にしま
っておいたのだ。自分の宝物
として。
そのぬいぐるみを、わたしは
今も持っている。両腕で、か
ばい続けている。母とわたし
の傷痕の象徴として、
とどどき取り出して、赤いボ
タンに触れてみる。
「また会えたね」
と、呟きながら。
ます
あなたの愛さえあれば
なみだで宝石を作ることができ
ます
あなたの愛さえあれば
雨で宝石を作ることができ
ます
あなたの愛さえあれば
もし
あなたの愛がなければ
ダイヤモンドもただの石ころ
てのひらをじっと見ていると
かなしくなってくる
YouTube
Pat Metheny - Don't Forget 1996.wmv
https://www.youtube.com/watch?v=xPTsC8_-YJ0&list=RDxPTsC8_-YJ0