彼の指は男にしては細く長い。
それすら、いとしかった。
・・・どうして、このひとは、
こんなにせつないのだろう。
私は? 彼にとって私は?
はぐれている同類?
せめて「愛している」のひとこ
とが欲しい、たとえ刹那でも・・
・・・
彼の指は男にしては細く長い。
それすら、いとしかった。
・・・どうして、このひとは、
こんなにせつないのだろう。
私は? 彼にとって私は?
はぐれている同類?
せめて「愛している」のひとこ
とが欲しい、たとえ刹那でも・・
・・・
守られるはずのない約束に
ついて考えてみる。
あなたが困っているのか
喜んでいるのか
よくわからなかった
あなたの気持ちがよくわから
なかった
私を傷つけないように やさしく
しているのか
本当にどうしてもやさしくしたい
のか
よくわからなかった
何かあったの?ってどういうこと?
だれかに あいたくて
なにかに あいたくて
生まれてきた―――
そんな気がするのだけれど
それが だれなのが なになのか
あえるのは いつなのか
おつかいの とちゅうで
迷ってしまった子どもみたい
とほうに くれている
それでも 手のなかに
みえないことづけを
にぎりしめているような気が
するから
それを手わたさなくちゃ
だから
あいたくて
“希望を出したのではない
生まれたとき永崎家にいた
これを神の配剤と受けとめ
精いっぱいに生きる以外にない“
運命が与えてくれた現状に、
文句を言ってもはじまらない。
いまこうあるという事実から
出発しよう。
このことを宿命として、その
まま素直に受けとめる以外に
ない。
仏教でいう「諦観(ていかん)」
とは、「あきらかに観ること」
だと教えられたことがある。
坂本九の「上を向いて歩こう」
のように、理想に向かって上
を向いて前進しよう。
グチをこぼしても、何も生まれ
てはこない。
恋の小舟はあてどなく
みえて、やはりあなたが
思い通りに動かすことが
できる舟。
ただ、あなたが情熱と理性
という二本のオールを
持っているかどうか、と
いうことが、恋の成就の
決め手だ。
残念ながらそのオールは
市販もしていなければ、
他人からゆずり受けるわ
けにもゆかない。
あなた自信が、素敵な恋
と自分の幸せのために、
コツコツと女という木を
けずって、つくりあげて
ゆくしかない。