彼は、とびきり上等の嘘が
つける人だった。
「ふたりで商売をすれば、二十
四時間、一緒にいられるだろう。
俺はキミさえいてくれたら、ほ
かには何もいらないよ」
真っ白なシーツとシーツのあい
だで、裸で彼と過ごしている
時間には、それはなんだか本当
に実現しそうなことのように
思えていた。
目を開けると、窓の外には、く
すんだ大阪の空が広がっていた
けれど、彼に抱かれて目を閉じ
れば、わたしは容易に「原色
の世界」に飛び込んでゆくこと
ができた。
けれども、旅には始まりと、終
わりがある。
恋も同じだ。
情事はもちろんのこと。
そう、つまるところ、人生も
同じなのだ。
それは始まって、必ず終わる。
例外はない。
つける人だった。
「ふたりで商売をすれば、二十
四時間、一緒にいられるだろう。
俺はキミさえいてくれたら、ほ
かには何もいらないよ」
真っ白なシーツとシーツのあい
だで、裸で彼と過ごしている
時間には、それはなんだか本当
に実現しそうなことのように
思えていた。
目を開けると、窓の外には、く
すんだ大阪の空が広がっていた
けれど、彼に抱かれて目を閉じ
れば、わたしは容易に「原色
の世界」に飛び込んでゆくこと
ができた。
けれども、旅には始まりと、終
わりがある。
恋も同じだ。
情事はもちろんのこと。
そう、つまるところ、人生も
同じなのだ。
それは始まって、必ず終わる。
例外はない。