天気予報を見ていたら、大阪にも雪マークが出ているなあ。昨日は雨だと思っていたら、あられのような雪が降ってきた。
山田風太郎『警視庁草紙』を再読中。これがおもしろい。この作品は後半がすごく盛り上がるのだ。
前半部は、初代警視総監・川路利良を先頭に近代化を進める警視庁を、元南町奉行のご隠居・元同心・岡っ引きがおちょくりまくる。これが小気味いい。しかし最後には苦い結末が待っている。
時代は「ザンギリ頭を叩いて見れば文明開化の音がする」と巷で唄われた1873(明治六年)ごろ、斬髪率はまだ3割くらいだったとか。7割は「因循姑息の音がする」といわれたチョンマゲ頭だったのだ。
いつも通り虚実ないまぜの風太郎ワールド。冒頭の「明治牡丹灯籠」では、「半七捕物帖」の半七が登場(しかし途中退場)。なぜか龍馬語録がタイトルの「人も獣も天地の虫」は、あっという結末。「幻燈大名小路」なんかも好きなタイプの話。幼少時代の漱石や一葉が出てくるところがいい。
征韓論に破れた西郷隆盛が薩摩に戻るところからスタートして、ラストは西南の役。いかにして明治政府が国民国家の体制を確立していったのか、フーコーの「監視と処罰」に通じるおもしろさがある。
山田風太郎『警視庁草紙』を再読中。これがおもしろい。この作品は後半がすごく盛り上がるのだ。
前半部は、初代警視総監・川路利良を先頭に近代化を進める警視庁を、元南町奉行のご隠居・元同心・岡っ引きがおちょくりまくる。これが小気味いい。しかし最後には苦い結末が待っている。
時代は「ザンギリ頭を叩いて見れば文明開化の音がする」と巷で唄われた1873(明治六年)ごろ、斬髪率はまだ3割くらいだったとか。7割は「因循姑息の音がする」といわれたチョンマゲ頭だったのだ。
いつも通り虚実ないまぜの風太郎ワールド。冒頭の「明治牡丹灯籠」では、「半七捕物帖」の半七が登場(しかし途中退場)。なぜか龍馬語録がタイトルの「人も獣も天地の虫」は、あっという結末。「幻燈大名小路」なんかも好きなタイプの話。幼少時代の漱石や一葉が出てくるところがいい。
征韓論に破れた西郷隆盛が薩摩に戻るところからスタートして、ラストは西南の役。いかにして明治政府が国民国家の体制を確立していったのか、フーコーの「監視と処罰」に通じるおもしろさがある。
山田風太郎さんには、「警視庁草紙」と対になるような作品で「幻燈辻馬車」というのがあります。西南戦争前を舞台にした「警視庁草紙」に対して、西南戦争に官軍側で参加した元会津藩士の父子を主人公に西南戦争後の世相を描いたのが「幻燈辻馬車」です。こちらも面白いですよ。
うかつにもメールアドレスを晒してしまっているので、可能ならば最初のコメントを削除していただけるとありがたいです。
山田風太郎さん、ほとんど古本で、新刊本は買ったことがないことに気づきました。数年おきのブームと微妙にずれているらしい。
この表紙はちょっと、くろまっくさんが興味を惹かれそうなイラストではありませんか?
「Amazon.co.jp」より「幻燈辻馬車(上)」の角川文庫版。
「Amazon.co.jp」より「幻燈辻馬車 上 山田風太郎ベストコレクション(角川文庫)」。
コメント欄汚し、すみませんでした。